〈業務日記〉

1/25

新作映画は脚本書き上げて待機のまま。 
とりあえず別に依頼された小説の執筆を始める

別に作家でもないに、次回作で小説も早10冊目
よく書いたもんだ
まあ、大半が自分で脚本書いたノベライズなんだけど
今度のは「子守り首」以来の完全オリジナル
それだけに気合いも入るというもの

執筆のためいろいろ調べていると
いいタイミングで別の依頼
また、これまでにない仕事への挑戦になりそう
それゆえに面白くなりそう である 
ああ早く皆さんに告知したい
動き出すとまた急に慌ただしくなるので
関係者の皆様覚悟してください 今はまだ100%確定しません

そんな仕事の合間に
ロメロの「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」を鑑賞する
丁寧に作られているのは認めつつも
そろそろロメロの限界も実感

今回は「ブレア・ウィッチ」風ドキュメント仕様なのだが
もともと「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が
すでに当時の、様式美ゴシックホラーとも
低予算プログラムピクチャーも一線を画す
ベトナム戦争仕込みのドキュメンタリー・テイストだったわけで
今更手持ちカメラで作られても私的には違和感しか残りません

「ナイト…」でも、正攻法のフィックスのアングルで
十分ドキュメント思考のリアリズム演出が徹底できたロメロだけに
今更手持ちカメラのブレブレ演出は蛇足でしか無く
かえって嘘くささしか強調されていない印象だ

おまけに脚本も、「胸ぽろり」の伏線の貼り方とか
前時代的な小細工が目立ちすぎて締まりがない

まだ時代に即してシニカルな娯楽性にこだわった
「ランド・オブ・ザ・デッド」の方が違和感はなかったと思う

もちろん全盛期のロメロが今の仕様で撮っていたら…
と思うと、それはまた映画史を塗り替える傑作になったかもしれない
とはいえ今作に限って言えば
もうロメロに多くの期待は出来ないという印象だ

すっきりしないついでに
「メイキング・オブ・ゴッドファーザー」と「メイキング・オブ・サイコ」を読破
「誰がクライマックスの大量殺人のモンタージュを創造したのか」
「誰があのシャワーシーンを創造したのか」
これに限らず、なぜこうも
書籍や映像媒体によって証言がことごとく食い違うのか
映画「羅生門」も顔負けというか、やっぱり魑魅魍魎の映画界
面白いんだけど、すっきりしない

頭をすっきり整理させるには
ガツンとうまいものを食べるのがいいそうだ

友人によると、効き目があるのは「加熱用牡蠣の生一気食い」
たしかにガツンときそうだ

生食用の牡蠣は毒素と共にうま味成分も殺してしまうので
全く美味しくないらしい
加熱用牡蠣を生で食わずして牡蠣のおいしさは理解できないとな

どうする?





12/24
新作のシナリオは、第三稿を書き上げた時点で一端待機。
 悪くはない…気がするけど、どうなんしょ。
 あとはキャスティングやら何やらの諸条件に合わせて、臨機応変に書き直していくことに。それはいつものことなんで経験上あまり手間はかからないはず。まだ絞らなきゃ行けない部分もあるけど、それより先に進められる準備を進めておく。
 同時進行でいくつかの企画の準備を進める。
 相変わらず、仕事柄、一つ一つの企画がジャンルもコンセプトもまるで異なるため、没頭しづらく、その都度、頭をリセットする必要がある。資料集めも読み込みも、まあがらりと変わる。
 これはこれでそれぞれの企画の構想をより客観的に見渡せ、適度に見直せる機会ではあるから、前向きに解釈しているけど。
 いずれも、もどかしいぐらいスケジュールが確定していないので、できる準備をなるべく進めて、決まったら慌てないようにしたい。正月はないかなあ…。

 ※ ※ ※

 仕事の合間に、録画しておいたフジの「三億円事件特番」を見るが、かなり残念な出来。
 捜査資料(というか捜査日記)はたしかに初公開だけど、単なる上辺の紹介にとどまり、「真相究明」にはほど遠い内容。というか、さんざん出尽くしたネタと再現映像が大半を占め、作り手の甘さばかりが目立ってしまった。わざわざ当時の捜査員を引っ張り出したのなら、もっと踏み込んだ取材と独自の検証を働かせてほしいものだ。
 当時の捜査関係者も鬼籍に入られた人は少なくない。この特番の老(元)刑事もそうだけど、警察組織への忠誠心が薄れ、墓にまで持って行くつもりの真相を告発したくなる関係者が今後も現れるかも知れない。そうなれば真の解決は近い…のかな。まあ、でも真相はやっぱりアレだろうし、根は深いです。
 で、番組を見て唯一、驚いたのは、最後に少しだけ紹介された、過去に犯人として誤認逮捕された男性が今年九月に自殺していたこと。犯罪の二次被害の根も深い。それでいて腫れ物に触れるように封印して、記憶から忘れようとしてしまう。
 マスコミもこの手の後追い取材はほとんどしないけど、事件は時効が来ても一件落着な訳じゃないのだから、特番として大見得を切るのなら、もっと腰を据えて掘り下げてほしいものです。



11月○日
とりあえず新作予定のシナリオ第一稿(荒稿)を書き上げる。
打ち合わせたプロット通りに書き進めると、
早々に総尺が2時間を超えそうになったため、
短縮させる作業に思わぬ時間を食ってしまう。

ラフで書き終えた感想は…
「うっわー、こんなめんどくせー脚本、誰が撮るんだ?」
と他人事のようにツッコミを入れたくなるような…。
まあ、今の段階で、無難に撮れることばかりを考えるのもイヤだし、
演出部に嫌われる脚本家モードで集中して書き進めた
(いいのよ、自分で首しめるだけなんだから…)。

このままいけば、面白くなりそうなんだけど、
たぶん仕掛けも伏線も今まで最も複雑になりそう。
ディテールの掘り下げに加え、
ジャンル映画としてふさわしい尺に絞っていくプロセスで
泣く泣く削る作業も山積みで、全貌はまだ見えていない。

明日は別の企画の打ち合わせ。脚本の打ち合わせもかねて。

※ ※ ※
公開中の映画「ブリュレ」の林田監督が亡くなったそうです。
林田監督とは、5年ほど前、
自分がまだ「レイズライン」を完成した直後、
一度イベントでご挨拶しました。
あの時のイベントで「ブリュレ」の制作が
たしか正式発表されたはずです。
監督の死でマスコミの注目度が急上昇するのは、
不本意かもしれません。
ただ5年越しの企画の完成、公開を見届けたことができたのは、
せめてもの救いと思います。
ご冥福をお祈りいたします。


10/26

次回作になるかもしれない企画が多少進展し、脚本を執筆し始めました。
最近ちょっと筆がなまっていたので、ちょうどいいタイミングです。
気持ちも新たに頑張ります(いや、すでに追い込みの時期なんだけど…)。
 
そうそう。企画協力&ノベライズを執筆した映画版「トワイライトシンドローム」の二作(「デッドクルーズ」「デッドゴーランド」)の二作が年末にDVD化されることが決定したようです。(福谷修) 


10/○
 荒れた部屋の話ばかり放置しておくのもあれなので、とりあえず近況報告です。
 企画はぼちぼち前進しつつ、最終決定になりそうでならない。待機中です。同時進行で、ありがたいお話もいただいてるのだが、保留せざるを得ない。
 決まったら、それはそれで急激に慌ただしくなるので、とりあえず諸々の準備をしておこうにも、いろいろあって没頭も出来ず、うーん、もどかしい。
 
 そうこうしている間にも世間は動いている。
 拙作「レイズライン」でホームレスを鬼気迫る存在感で演じられ、同時に疑闘も手がけられた俳優、西冬彦氏(世間的には「少林少女」などのプロデューサーで有名)が「ハイキック・ガール」という映画で監督デビューした。
 で、そのヒロインに抜擢されたのが、私の「こわい童謡」の合唱部員役で映画デビューした子。しかもマイミクさんの娘さんだったりする。世間は狭いです。
 この娘さん、「こわい童謡」のオーディションでお会いした時、演技的にはまだ未成熟なところがあったものの、なかなか印象に残ったので(偉そうに言えば将来性がありそうってこと)、合唱部員のメンバーに入れようと思った。ただ、劇中の合唱部員は、ヒロインの多部未華子さんを筆頭に、近野成美さん、水沢奈子さん、上野真未さんら錚々たるメンバーで埋め尽くされていたので、配役は厳しいと言われたものの、無理矢理ねじ込んで、わずかながら台詞も加えてみた経緯があった(もちろん死体役にもなってもらったけど)。
 次回作ではもっといい役を、と思っていたら、いきなりの主役抜擢である。得意の空手を生かして、どんな芝居を見せてくれるか、監督・ヒロインでダブルで楽しみです。
(福谷修)


9月△日
 部屋のレイアウト変えに専念するはずが、細かな打ち合わせに顔を出したり、原稿書きがあったり、遅々として進まず。
 まあ、いつ誰が来ても大丈夫なようにオシャレに改装…といえば、自意識過剰とか、とらぬ狸と笑われそうだが、実は過去に二度ほど、自宅というか仕事場に取材が入ったりした。

 一回目はW○Wのスピルバーグ特集で、スピルバーグに口うるさい業界人の一人で取材依頼。自宅で蘊蓄を話すという設定だったものの、当日朝まで仕事をして、部屋はいつにも増して荒れ放題。さすがにテレビが入るのは悪いなあと思い、リビングを掃除して、仕事部屋には家中のゴミやいらない物を詰めるだけ詰め込んで封印した。
 しかし実際にテレビクルーが来て、美しく整頓されたリビングに案内すると、ディレクターはなんだか「がっかりした」表情。読まなくてもいい空気を読んだ私は、すかさず封印した部屋をディレクターに見せると、やっと満足げな笑みを浮かべてくれた。
 かくして、泥棒が入った後より酷い、掃きだめの仕事部屋の映像がお茶の間に流れたわけだ。某スピ作品のプレミア放映の前座として。

 二度目は某クリエーター・インタビュー本の取材。
 忙しい時に特に部屋が荒れ放題になるのは仕方ないし、素顔を見せるという企画意図だから、あまり手を加えるのも嫌みなのはわかるのだが、「クリエーター」の仕事部屋たるもの、荒れ方にも味があったり、雰囲気があったりするものだから、そういうイメージで、取材直前に部屋に少しだけ手を加えてみた。
 私のさりげないアレンジを、訪れた編集者は気に入ってくれた模様だが、結局誌面に使われたのは、私の顔のアップだけだったりした。

 他にもあったような気もしたが、忘れてしまった。
 ちなみに部屋や家の内部は一度も映画の撮影に使用していない。外観だけなら二度ぐらい使用しているけど。
 味のある仕事部屋の道のりは遠いです。


(日記再開)
 関わっていた企画がどれも諸般の事情で中断しているので、急に暇になりました。このまま無職も悪くないかなと思いながら、とりあえず十年ぶりに仕事場のレイアウトを変え、たまっていたDVDやら本を整理して目を通しています。
時間が空くと、狙い澄ましたように、テレビとDVDレコーダーが壊れました。まあ、どちらも酷使しましたから寿命でしょう。仕方なくテレビとブルーレイを購入。やばいなあ、ブルーレイ。月並みに「ブレードランナー」と「燃えよドラゴン」を見たら、月並みに他のソフトもほしくなってしまった。
DVDにはマイナータイトルを安値で揃えられる以外に魅力を感じなかったが、ブルーレイというかHDの、35mmフィルムの空気感を的確に捉える感覚がこれほどに素敵とは。両作とも劇場で最初に見た時の感動が生々しく甦ったわけで。ぜひ「ジャイアントスパイダー大来襲」や「アニマル大戦争」なんかもブルーレイで鑑賞したいものです。

 そういえばベネチア映画祭の結果が出ましたね。日本の「三巨匠」の誰かが当確!とかマスコミは星野JAPAN前夜祭のように盛り上がっていましたが、だいたい四大映画祭は下馬評通りに行く方が珍しいので、全く信用していなかったら、残念ながらやっぱりな結果でした(後出しじゃんけんみたいな書き方ですいません)。
 ハリウッド業界人の実質人気投票のようなアカデミー賞は、作品の評価と共に「今回はこいつにとらせようか」という空気がかなり左右するので、内情を知る批評家の読みは割と当たりやすいのですが(マスコミ予想は読者向けに作品評価を中心に据えるので五分五分)、反面、映画祭は基本的に芸術的なサプライズを求められるし、審査委員の偏屈な感性が左右するので、三巨匠の作品が実際に現地で盛り上がっていたとすれば、その時点で受賞は厳しかったでしょうね(アフロノスキーの話なんてどこにも出てなかったし)。というか、ミスリード役というか、うまく利用されたという感じでしょうか。
 とりあえず「ポニョ」と「スカイクロラ」は見ましたが、どっちも(いろんな意味での)「受け狙い」ではなく、「俺が好きなように撮ったから文句あるか」というタイプの作品なので、第三者がとやかく言う筋合いでもない気がします。いろいろ論じることも可能ですが、「そんなことより、おまえは自分の仕事をちゃんとしろ」と叱られそうなので、この辺でw
(9月○日/福谷修)



8月○日(2008)

すっかり、ご無沙汰しています。福谷です。

ゲームの作業が終わった後も、いろいろ仕事は山積みで日々追われています。

 

 で、急ぎの告知として。

 

ゲーム版原作小説が発売

 

今回のゲームの原作小説が幻冬舎より、710()に発売されます。

私が書いています。ぎりぎりの作業が続き、ネットでもほとんど告知されていませんが、10日には書店に並ぶようです。



この小説では、ゲーム「トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説」のプロローグと第一話、第三話を中心に、ゲームでは不可能だった封印エピソードや未公開エンディングを盛り込んで描いています。事前にゲームの内容が知りたい、あるいは興味がある人は、この小説をチェックされるのもいいかもしれません。

ただし、ゲームのネタバレも含んでいますので、ゲームを優先的に楽しまれたい方は必ず後から読んでください。

登場人物や舞台設定についても言及していますし、(一話と三話に関しては)攻略本の感覚で読まれるのもありかと思います。

なお、小説の最終話は、ゲーム版と全く異なる、諸般の事情からゲーム化できなかった、もう一つのシナリオをベースに描いています。

 

映画ノベライズも発売

さらに、私が「企画協力」のクレジットで参加した映画版のノベライズも書いています(よく聞かれるのですが、私は映画版の監督はしていません)。こちらは7月下旬に同じく幻冬舎から発売予定です。
もともと映画二作の内容には、ほとんどタッチしていなかったのですが、映画とゲームの世界を結ぶべく、最終的にノベライズという形で関わらせていただきました。
ゲームと映画二作の世界観を結ぶ形で、新たな解釈によるストーリーが展開。裏の設定に準じた、映画では語られない「どんでん返しの結末」と「事件の真相」が描かれています。
 よかったら、読んでみてください。






10/28(2007)

先日のトーク・イベントでも明かしていたので、こちらでも書いておきます。
 新作はゲームです。
 何の機種とか、いつ発売とか、どんなことやっているんだとか、一切出せないんですが、代表作になるようにがんばってます。
 まあ、自分に求められるテイストなんで、恋愛シミュレーションとか、そんな類じゃないことは確実(笑)。正式発表になったら、また詳細を報告します。

 さて、先日のトークショー。お越しいただいた皆様ありがとうございます。
 「呪怨」などのノベライズや、「処刑列車」「アンダー・ユア・ベッド」などのオリジナル作品で人気の作家、大石圭氏と共に、あれやこれやと話してきました。
 大石氏とは、氏の原作「湘南人肉医」を映画化した「最後の晩餐」の絡みで行った、今は亡きゆうばり国際ファンタスティック映画祭でお会いして以来(懐かしい…。女優さんらと飲んだ際のルイベも美味しかった…)。
 とてもあんな鬼畜小説を書く御仁にはゼッタイ思えない紳士ぶりは相変わらずでした(いや、こういう人ほど裏では…と思わせる、氏の小説を地でいくような…)。
 トークの内容的には、ホラー現場の撮影秘話から、大石作品の魅力、そして及川中監督が氏の原作を映画化し、今週末から公開中の「1303号室」などの話題。
 「湘南人肉医」を映画化した立場で言うなら、氏の原作の映像化はとても難しい。これは及川監督もインタビュー同様のことを仰っていた。文芸賞出身の作家だけに、描写が昨今流行の視覚重視ではなく、濃厚な心理描写に重きを置いているからだ(「呪怨」のノベライズが成功したのも、ある意味、そうした映画と真逆のアプローチをしたためだろうし)。
 自分は氏の独特の文体を活かしたいため、モノローグを多用し、あえて特異なキャラクターや特徴的な描写だけを抽出し、新たな視覚的な物語に置き換えて再構成して「最後の晩餐」を形成した。
 しかし「1303号室」では、また別のアプローチがなされていた。モノローグは一切なく、物語も原作にわりと忠実。そして濃厚な心理描写は、ヒロインの表情や仕草を丹念に追うことで表現していた。これは極めて正攻法であり、心理ホラー映画としても効果が出ていたように思われる。
 あと、この作品は実質オール日本人キャスト&スタッフながら、アメリカ資本の「アメリカ映画」で、公開は「逆輸入」という形を取っているため、随所に外国人がイメージする日本的な描写が盛り込まれて(ハリウッド版「呪怨」とは別の切り口)、その微妙な違和感が作品にいい意味でのアクセントを与えていたように思えた。
 たしかに低予算のハンデが如実に出ている箇所も見受けられたが(それでも「最後の晩餐」や「こわい童謡」より数倍かかっているけどね)、技術的には微細にこだわり、ベテラン・スタッフの力量が随所に発揮されていたように思えた。<いつものJホラー>と勘違いされやすい題材だが、独特の大石ホラーの世界を知るには格好の一作といえるだろう。

 にぎやかなトークがあっという間に終わった後、楽屋(と思しき場所)でも、大石氏といろいろ話す。
 その際、大石氏から「一日にどれくらい書いているの?」と聞かれた。時間に追われていることを打ち明けつつ、氏の執筆時間を聞いてびっくり。
 ここには書かないけど、普通の作家さんはそうなんですか?なんでも村上春樹先生も同じぐらいとか。理想的といえば理想的。目から鱗というか、本来仕事とはそれぐらい集中して、一気に仕上げるのがベストとは思うけど…。いやいや、まだまだ修行が足りないなあとしみじみと思いましたよ。


10/10
ご無沙汰しております。便りがないのは何とやら…ですが、週末にひいた小さな風邪が大きくこじれて、連休つぶして寝込むハメに。つい今し方回復し始めたところです。
 おかげで体重が三キロ痩せて…じゃなくて、考えていた仕事のスケジュールが崩壊寸前で、ブログを書いている余裕なんてまるでないのですが、脳味噌のリハビリもかねてチリチリと。

 さて、風邪のウイルスが入る三日前、都内某所で御祓いに行ってきました!
 御祓いは七度目。これまでは映画やらネットシネマやらで、すべてクランクイン直前に行われたのですが、今回は媒体がちょっと違うので、これからいよいよ本格始動という感じです(たぶん今回の風邪は、御祓いで体内にたまった膿が出てきたということでしょうか、うげっ)。
 もちろん前作「こわい童謡」でもしっかり御祓いさせていただきました。
 霧島レイカ先生が舞台挨拶で「御祓いに来なかった人は肩に黒い影が見えます」と仰って、共演の皆さんをびびらせていましたが、まあたぶんそんなこともあるかと思います(この御祓いの模様は、運が良ければDVDの特典に収録される模様です…って、未だにDVDの全貌をよく知らないけど…)。

 やはりこういう仕事だと御祓いはやっておくべきですね。というか、今までの映像作品で御祓いをしていないのは一度もないので、逆に御祓いをしないとどうなるのか想像できないのですよ、怖くて(本当はプロデューサーや監督らが代表でするだけでもいいようです)。

 思えば、鶴屋南北の原作とは関係ないのにお岩さんの神社で御祓いしてもらったり(製作会社が近かった…)、「内容が反社会的すぎる」と御祓いを断られそうになったり(プロデューサーが神主さんを説得した…)、いろいろありましたが、どの作品も紆余曲折はあったものの、死者も出ず、オクラ入りにもならず、こうして陽の目を見ているのは、やっぱり御祓いのおかげだと感謝しています。

 ただ、さすがに今回は媒体も違うので、御祓いは自分から申し出ないと、実現しないだろうなと勝手に思っていたところ、製作会社の方から提案が。「すごいなあ、さすがわかっているなあ」と感心していたら、「昔、御祓いをしなかったら、怖い目に遭った…」というウワサがチラホラ。ほら、やっぱり…。あ、いやいや、あくまでウワサですからね。
 御祓いにも製作会社のカラーが出るものですが、今回は、オフィスのビル街の真ん中にひっそりとたたずむ独特の神社で、ほとんどがこの場が初対面というスタッフの皆さんと気持ちも新たに仕事に取り組む決意をしました。
 とにかく御祓いも無事済ませて、作品はきっと安泰でしょう。って、他力本願じゃいけないので、仕事に戻ります。自分が進めないと何も始まらないので。
 追いつめられても、仕事はとても楽しいのですが、なんか激しい咳をする度、喉の奥からヘンなモノが飛び出してきそうな丑三つ時。体調だけは早く回復して欲しいです。


9/13
相も変わらず、新たな仕事に追われて、てんてこ舞いです。缶詰であれやこれや書き物に追われています。
 ご報告が遅れましたが、「こわい童謡」の東京公開も無事終了しました。二ヶ月に及ぶロングラン、関係者の皆様お疲れ様でした。心から感謝します。
 話がつながり、見せ場や謎解きが密接に連動した「表の章」と「裏の章」を別々に上映するという大胆な試みは、いったいどうなることやらと内心ハラハラしていましたが、なんとか観客動員も目標をクリアしたらしく、ほっとしています。
 お越しいただいた皆様、ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。個別のお礼のご挨拶は今しばらくお待ちください。
 
 さて、「こわい童謡」も東京、大阪、名古屋と来まして、今週末から仙台での上映が始まります。仙台ファンタスティック映画祭のようなくくりで上映されるようです。楽しみです。というか、行きたいっす、仙台。ちなみにその後は10月に京都で上映されます。地道に上映させていただきます。
 仙台では以前、「レイズライン」がインディーズ映画イベントで上映されたのだけど、その時も行けませんでした。
 みちのく国際ミステリー映画祭にお呼ばれした時、新幹線から仙台駅を通り過ぎて以来、けっこう憧れなんですけどね。

 まあ、今は仕事に集中しなきゃ行けないと思いつつ、根を詰めすぎて、実は今朝からちょいと体調不良です。
 そういえば昨年の今頃も「こわい童謡」のシナリオ作業で、根を詰めすぎて、ぶっ倒れていました。ま、シナリオ作業自体はある意味本業かつ原点なので、精神的にはとっても楽しいんですけど。
 普通に机に向かっているだけとはいえ、集中すると体の無理も感じなくなる体質らしく、気がつくと大変な事になって困ります。
 体も動かさず、ずっと机に向かっているのって、とどのつまりエコノミークラス症候群でしょうか。貧乏病です。心臓に穴が開かないようにしたい物です。
 それにしても、監督の仕事もかなりハードだけど、案外体育会系なので、体力はつくというか異様に鍛えられて馬鹿健康だったりします。無駄に痩せて体も引き締まっていましたからね。今はもう大変です。
 だから思うのは、同じぐらいハードワークのくせに、監督には長生きが多く、脚本家は早死(というか過労死)が多い、という現実でしょうか(で、自分はどっちなの?)。
 監督がストレスで過労死なんて聞いたことないから。自殺はあっても。

   

 体調不良は体の「休め」という最後通牒なので、リハビリと気分転換に昔読んだ本を少し読み直す。
 小説まで読む時間はないし、面白そうなマンガも手許にないし、シナリオ作業が続いたので、監督関係の本に落ち着き、ジョージ・ルーカスの伝記と、ロジャー・コーマンの自伝をパラパラ。
 どっちも買ったのは20年近く前。当時は単なる一ジャンル映画ファンの視点で読んだけど、今は作り手の視点で読むと興味深い。
 とにかくどの現場も厳しくて過酷で地獄のようだけど、その中でいかに創意工夫でやりくりしているかの武勇伝が、今はリアルな実践知恵袋のオンパレードで跳ね返ってくる。
 コーマン大将が「リトル・ショップ・オブ・ホラー」を四日で撮ったと自慢げに語っているのを読んだ時、昔は「そんなアホな」とツッコミをいれたが、今では思わず「やるなあ、さすが」と膝を打ったり(でも現場は似たり寄ったり参考にならず)。
 ルーカス翁が現場でカメラアングルを決めたら、まず役者のやりたいように(即興含めて)芝居をさせたり、時間が足りなくなると「あとは編集で挽回だ」と叫んだり(おい)あれやこれや。あと「スター・ウォーズ」の冒頭、廃品業者の小人エイリアン族の一人を、予算不足から、プロデューサー、ゲイリー・カーツの幼い娘が演じていたこと。昔読んだときは「へえ」程度だったけど、自分も気がつけば「レイズライン」やら「リアル都市伝説」でプロデューサーの息子さんに出てもらっていました。つうか、まわりの現場、そんな話ばっかりだし(笑)。もちろん「こわい童謡」でも身内は総動員でしたね、いろいろ。
 まあ、内トラ(スタッフなどでエキストラを代用すること)って、予算不足もさることながら、結局、いざという時には、一番ちゃんとした意図通りの動きをしてくれるから有り難いので、それはそれで理解できるけど。
 それにしても、歴史上最も成功した映画の一つですら、この有様なんだから、今更ながら推して知るべし。結局、どんなに予算が増えようが、逆に厳しくなろうが(当たり前だけど)茨の道には変わらず。地獄は地獄で楽しめる体質でないとつきあえないのは事実でしょうね。その中で技術を磨くしかないと。つらくなって精神がおかしくなって、すべてを投げ出すなんて某(以下略)のようなことは、できないわけですよね、庶民には。
 なんだか苦労の再確認ということで、面白いんだけど、全く気分転換にもリハビリにもならず。 こんなことなら「メイキング・オブ・サイコ」でも読んだ方が良かったかな。これ、映画化されるそうですね。すげえ。
 とりあえず体力回復のため、運動がてら、某所に取材に行くことにします。

8/25
ご無沙汰しております。
新しい仕事に追われて、昼も夜もない状態で、すっかり日記も滞っています。
唯一の気分転換は、「こわい童謡」の舞台挨拶ぐらい(そこまで大げさじゃないけど)。でも、それも先週の松尾敏伸さん、マイケルTヤマグチさん、死体ガールズの皆さんと共に登壇したのが最後で、またこもっています。
劇場にお越しいただいた皆様ありがとうございました。二ヶ月近くに及んだ東京公開も残すところあと一週間です。最終日ぐらい顔を出したいところですが、今のスケジュールではたぶん無理そう。
ちなみに東京、大阪、名古屋ときて、今度は仙台、京都などでまだ上映される予定です。

   

公開中の自作も大事だけど、それ以上の気合いで新しい企画に取り組んでいます。
今まで、いろいろなジャンルの仕事をやらせてもらったけど、今度も又新しい挑戦です。昔一度実現の手前で頓挫したジャンルだけに、是が非でも成功させたいと燃えています。
まあ、こもってばっかりじゃ効率も悪いんで、たまには仕事がらみで外出。

某日、秋公開の空手アクション映画「黒帯」の試写を鑑賞。
この作品、「こわい童謡」にも出てもらった近野成美さんがヒロインなのも気になるけど、企画&武術監督が西冬彦さんという点にも注目。
西さんは私の自主映画「レイズライン」でホームレス役を熱演してもらった俳優ではあるのだけれど、それ以上に業界では名の知れた熱い人物だ。
大手映画会社に所属し(今は退社)、アジア・オセアニアの映画買い付けで腕をふるい、中でも「少林サッカー」に惚れ込んで日本に輸入させ、大ヒットさせた立役者。来年も柴崎コウさんの「少林少女」の公開が控えるなど、勢いは止まらない。
そして同時にアクションスターになるため、ハリウッドの俳優組合に加入し渡米、出演作もリリースされている。さらに本物のアクション映画を作るという夢に奔走し、世界を股にかけて自らの企画で実現させたのが、この「黒帯」なのだ。
この映画がすごいのは、西さんの理想の映画作りのため、本物の空手の達人(師範級)が主要な役を演じていることだ。これまでもスター格闘家が主演の映画はあったが、それとは異なるアプローチをしているのが斬新だ。
立ち振る舞い、姿勢、殺気、そして殺陣、すべてにおいて本物の武道家でしか出せない迫力と美しさを、ドキュメントタッチで画面に刻み込んでいる。
そう、強くあると共に美しいのだ。
じゃあ、ドラマ部分はどうなのかといえば、十分鑑賞に堪えられるのがある意味で衝撃だった(これは長崎俊一監督の演出力なのか、西さんの力なのかはわからないが)。それぐらい芝居に違和感がなく、物語に入り込める(もちろんこの作品において大事なのは、本物の空手アクションを存分に見せることにあるのだから、これで十分すぎる)。
そして西さんも主人公たちに敵対する空手家を演じて映画のリアリズムをがっちり支えて、作品を盛り上げる。
長崎監督・飯田譲治さんの脚本という異色の組み合わせも、娯楽とマニアックなこだわりの狭間でうまく機能し、これまでにない日本の格闘映画の息吹を感じさせる。決して大作ではないが(おまえが言うな・笑)、単なるアクション映画と見過ごせない、様々な可能性を秘めた必見作だと思う。

公式 http://kuro-obi.cinemacafe.net/

   

「黒帯」で熱くなった勢いで、「トランスフォーマー」を鑑賞。
もちろん見るなら<日本語吹き替え版>だ。こんな映画、字幕を追っている場合じゃないだろう。
しかも、知らなかったのだが、主役のオプティマス・プライム=コンボイ司令官がアニメ版と同じ玄田<ドズル准将>哲章さんではないか!
あのオリジナルのアニメ版を熱く盛り上げ、「世界一頼りになる司令官は、コンボイ司令官だ。なぜなら声が玄田哲章だからだ」と言わしめたあの声をスクリーンで復活させた粋な計らい。
アニメ放映時、自分もすでにいい年だったのでちゃんと見ていないはずなのに、あの独特の「トランスフォォォォォム!」という雄叫びは耳に今も焼き付いて離れない(どうせなら、悪役の加藤<星一徹>精三さんも復活させたかったが。部下の故・鈴置<ブライト>洋孝さんは無理としても)。
映画では、お約束のはったりをきかせた宇宙オープニングに、コンボイ司令官の独白が重なる素晴らしさ。アニメの決まり文句は残念ながらなかったけど、魂のこもった名台詞が随所にあり、男泣きできること間違いなし。ラストもビシッと決まっていた。
一部では荒唐無稽なストーリーが賛否両論らしいが、これって日本人も驚くほどに、あのオリジナルのアニメに忠実ゆえのものではないか。かくれんぼなんて、その典型だろう。
そもそもネットで偉そうに批判を書くにしても、見る側も最低限の知識を持って作品と向き合うのは素人であってもマナーと思うが。なんでもありなら、便所の落書きと変わらないわけだし、最後に恥をかくのは書き手に過ぎないわけで。
とにかく作り手の狙いがここまで徹底し、作り込まれたエンタテインメントは久しぶりに思えた。
もちろん、今更書くまでもないが、変形合体のCGは驚嘆という他はない。
かつて、「超時空要塞マクロス」でバルキリーが玩具で実現可能なリアルな変形を披露し、さらに次作「超時空世紀オーガス」で、さらに複雑かつ驚異的な変形合体を実現させて頂点を極め、その後も独自の進化を続けた日本のメカデザインの理想が、最高の形で結実されたようだ(次はダイラガーやゴライオンのリメイク企画も浮上していると言うが、それでいいのかハリウッド!?)。
もう画のパワーだけで物語を牽引していく手法はすごいんだけど、こんなやり方ばっかり増えると、自分のような立場の人間は困ってしまうが、ともあれ、目の肥えた観客をとにかくびっくりさせよう、感服させようという活動屋魂は素直に敬意を表したい。
まあでも、たしかに字幕で見たら、ますますわけわからん話と思うので、やっぱり吹き替えがオススメ。巷では某ハリウッド製Jホラーの吹き替えが物議を醸しているけど、こっちは断然吹き替えだと思う。

二本の映画のおかけですっかり熱くなったまま仕事に復帰。とにかくがんばるしかない!また眠れない日々が続くけど、負けてられないね。秋には「ロッキー・ザ・ファイナル」もDVD化され、劇場ではかなわなかった羽佐間道夫さんによる吹き替え版が楽しめるし、それまでに納得いくものに仕上げたいです。


8/5
けっこう日記書いていませんでした。
気がつけば、「こわい童謡」の大阪公開も客足好調のうちに無事終了。東京では、池袋のテアトルダイアでの続映が決まり、「表の章」が土曜から再上映されています。
そのテアトルダイアでは、「裏の章」に登場したミ○ラの実物大モデルが展示されています。なかなかリアルに作り込んでいますので、ぜひ見ていってください。

昨夜は、テアトル新宿で「こわい童謡 裏の章」のトークショーに出てきました。ゲストは、劇中の童謡レコードの歌声を担当してもらいつつ、テレビクルーのAD役でもあった玉城ちはるさんと、両作の音楽を手がけた原田勝通氏です。

玉城さんとは、撮影以来の再会。私の顔を見るなり、「あっ、監督って、こんな顔していたんですね」と、お約束の驚き。はい、安めぐみさん、石坂ちなみさんに続いて三人目ですね、このリアクション(笑)。「現場で一番怖いのは、日に日に目のクマが増えていく監督のやつれた顔」というのは、この日も指摘されました。どんな顔じゃい。

さて、玉城さんはアルバムも出している現役アーティストなのに、女優としては(インディーズも含め)ゾンビなどのキワモノ役が多く、今回が「初めてまともな人間の役柄」だったようです(でも憑かれて痙攣しますけど)。
しかも憑かれる芝居が、アーティストとは思えぬほど迫力があったと思います。いや、素晴らしい。ご本人は霊感はないとのことですが、実は心霊的な恐怖体験はけっこうあるようで、その一つがあの「新耳袋」に採用されたそうです。今回のトークでもその一部を披露していました。
浴衣姿で観客を魅了しつつ、ホラートークは霧島れいかさんの時に匹敵する盛り上がりを見せ、おまけに、劇中で流れた童謡レコードにあった「かごめかごめ」をアカペラで披露してくれるサービスぶり。
音楽の原田氏も他では聞けない裏話をたっぷり聞かせてくれて、この日来られたお客さんはけっこうお得だったと思います。

(玉城ちはるさんのブログで紹介されたトークの模様)
http://chihachiharun.jugem.jp/


ちなみに来週土曜のトークのゲストは、特殊メイクアップアーティストのマイケル・T・ヤマグチ氏と、ポスターでおなじみの死体の山を極寒に耐えながら演じてもらった合唱部員美少女軍団の皆さん(一部)です。玉城さんの浴衣が好評だっただけに、彼女たちも対抗してひょっとして何かコスプレがあるかもしれません(期待しないで・笑)。

それにしても「渋谷怪談 THEリアル都市伝説」の公開でもマイケル氏とトークをしたのですが、アルコール混じりのラフなぶっちゃけトークは一部では非常に受けたのですが、プロデューサーから「どっかのライブハウスじゃないんだから」とお叱りを受けたのも今は昔。果たして今回はどうなることやらです(ちなみに今発売中の角川書店「特撮ニュータイプ」にマイケル氏と私が、マイケル氏の工房でミ○ラと共にグラビア撮影&対談をしております)。

本当だったら劇場公開の日々を満喫したいところですが、今はまだ言えない新しい企画の準備に追われててんてこ舞いです。自分にとって、とても意欲的な企画だけにこっちはこっちで全力で取り組みところです。

あ、書き忘れたけど、名古屋での公開も決まったようですね。名古屋シネマスコーレで、「表の章」が8/11〜13、「裏の章」が8/14〜17です。とっても短い期間ですが、地元の劇場だけに盛り上がってほしいものです。本当は帰省がてら舞台挨拶、行きたいんですけどね(笑)。


7/27
相変わらず慌ただしく生きています。
いよいよ…というか、やっと明日より「こわい童謡 裏の章」が公開されます。東京、大阪で同時公開です。
特に東京は「表の章」(事件編)の単独公開より三週間、やっと「裏の章」(謎解き編)を見ていただくことになり、正直ほっとしています。三週間がとても長く感じられました。
もともと個人的には「表」と「裏」で対照的な仕掛けを施しているため、二つセットで一つの作品という印象が強いです。ゆえに、期間を空けて別々に公開というのはあまり想定していませんでした。もちろん実験的な興行の試みとしてはとてもユニークに思います(テアトル初のデータ上映とか、霊感が強くなる!?新しい音響システムの採用とか、いろいろ初の試みが多いのですよ)。ただまあ、作り手の本音としては、できることなら二作セットで批評していただきたいなあと思っています。
あえて二作に分けた場合、世評的には正直「裏の章」の方が受けがいいようです。
もちろん「裏の章」を見ると、「表の章」の印象もまた変わると思います。
個人的には「表の章」→「裏の章」がいいのですが、まずは「裏の章」だけでも見て欲しいと思います。その上で「表の章」を見ていただくことも可能な作りです。
明日の舞台挨拶付きのテアトル新宿の初日のチケットは既に完売になっていますが、日曜以降は席に余裕があると思います。よろしかったらぜひご覧ください。


7/14
日々が怒濤のように過ぎていき、いろいろご返事やコメントが遅れております。今しばらくお待ちを。

さて、今日はついに完成した4Dアトラクション「こわい童謡 迫間の章」のオープン直前の試写のため、東京ドームシティへ。
夏休み前とあって、ドーム周辺はチケットを求めて並ぶ巨人ファンぐらいしかおらず、ちょっと寂しいぐらいでした。

アトラクションのミニシアターが設置されているのは、屋内ジェットコースターもあるジオポリスの割と真ん中。なかなかのポジションです。
前出の通り、お客もまばらな平日の昼に現地集合すると、アトラクションプロデューサーで、特殊メイクアップアーティストのマイケル氏と4Dスタッフが最後のセッティング調整に奮闘しておりました。
そうこうしているうちに4Dのヒロインである近野成美さんが現れ、いよいよアトラクションがオープン。
近野さんらと一緒にシアターに入り、一番最初に客としてアトラクションを体験する。
音響効果や映像の立体感、ギミックもなかなかの仕上がり。
ただまあ、謎解きの途中のミステリー連作映画の「迫間」を、単体のアトラクションで描くというのはやはり難しい、というか、内容的にこれでよかったのかは悩みます。とはいえ、あの限られた状況とスケジュールでよくやりました。スタッフ、キャストに素直に御礼が言いたいです。

終了後、近野さんと立ち話をして、彼女がポスターや施設にサインをした後、試写はお開きに。早速、興味深げにシアターに近づいた数人のお客さんが中に入っていった。これからの夏休みシーズンに映画との連動で盛り上げられればと思います。

ちなみに本日日土曜日は、「表の章」が公開中のテアトル新宿で上映後に、近野成美さん、悠城早矢さんが登壇し、トークショーをやります。
もちろんお二人は4Dアトラクションと共に、映画本編でも重要な役割を果たしています。撮影秘話を彼女たちと披露したいと思います。ぜひご参加ください。

ちなみに、映画「表の章」の初日に、司会の方が気を利かせて、「『こわい童謡』は4Dアトラクションも含めて三部作」と仰っていましたが、内容的なつながりは映画の表と裏の二部作のみです(「迫間の章」を謎解きに加えると混乱します)。
「迫間の章」は設定上は「表の章」の三年後ですが、この作品はあくまでアトラクションとして二部作の息抜きに楽しんでもらえればと思います。
正直、映画以上にグロ&恐怖描写に厳しい映像アトラクションの規制傾向に配慮しているため、たぶん低年齢の人でも楽しめるぐらいソフトな仕上がりになっていると思います。4Dだけの新たなホラー・キャラも出てきますし(笑)。ぜひ見て体験して楽しんでください。

それと、お得な情報として、シアターの前にある読み取り機械に、「Suica」や「パスモ」(大阪では「ICOCA」?)などの交通系ICカードをかざして、改めて劇場に行くと、なんとポップコーンがプレゼントされるそうです。今時、劇場のポップコーンなんて高級食材のようなものだと思うので、貴重ですよ。

さて、写真は、近野さんが帰られた後に施設で撮影したもの。知らない人のために言っておくと、向かって右側がマイケルです(せっかくだから近野さんとも一緒に撮ればよかったのだと、後から気づいた)。

そういえば先週、8月発売の角川書店「特撮ニュータイプ」の取材で、マイケルの工房を久しぶりに訪れ、映画で使用した特殊造形の小道具と一緒にに、二人で勘違いアーティストのようなカラー・グラビア撮影をしました(笑)。ツッコミどころ満載かも知れませんが、まあ笑って許してやってください。


7/9
「こわい童謡 表の章」が7/7公開されました。
 劇場のテアトル新宿には約300人のお客さんが詰めかけ、通路際の立ち見券もほぼ完売とのこと。お越しいただいた皆様本当にありがとうございました。

 舞台挨拶に登壇した主演の多部未華子さんをはじめ、近野成美さん、秦みづほさん、しほの涼さん、笠原紳司さん、霧島れいかさんも熱気に包まれた場内にとても感激しておりました。

 私は正直これだけの規模で挨拶したことがないので(笑)、柄にもなく緊張していたのですが、隣の位置の(イベント慣れしているはずの)しほのさんも「すっごい緊張してます」と震えておりました。映画の初日舞台挨拶というのはそれだけ特別ということでしょうか。
 
 多部さんは最初は少し緊張していたものの、すぐに話し方もしっかりして、以前にも増して女優のオーラと貫禄を漂わせていました。さすがです。霧島さんや近野さんとの掛け合いも楽しく、場内を沸かせていました。

 私は、といえば大勢の俳優さんたちのコメントの邪魔にならないように言葉を選びつつも、ずっと「本当に『表の章』だけの上映で良いんだろうか」と自問自答しておりました。
 とはいえこの会場の熱気を目の当たりにすると、ここはもう、実験的な試みとして腹をくくるしかない!という気持ちにも。

 初日の舞台挨拶はひとまず大成功だったと思いますが、興行的にはこれからが本番。
 真夏のレイト・ロードショーはホラー・サスペンスを楽しむにはベストな環境かと思います。日本音響研究所が監修した、謎解きのヒントが隠された、劇場ならではの<秘密の音響システム>もありますし、皆様お誘いの上お越しください。
 あ、毎週末にはイベントも用意しております。詳しくはコミュか公式サイトで。


(舞台挨拶の記事の一部)

http://www.fjmovie.com/main/news/2007/0707_douyou.html

http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=2831

http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/f-et-tp1-20070707-223733.html


7/7
いよいよ本日7/7夜9時より「こわい童謡 表の章」が公開されます。

上映前には、「表の章」に出演された多部未華子さん、近野成美さん、秦みづほさん、しほの涼さん、笠原紳司さん、霧島れいかさんという豪華な顔ぶれと共に舞台挨拶をさせていただきます(悠城早矢さんは急な体調不良で欠席となりました。残念ですが、ゆっくり静養して治してくださいね)。

これまでの試写会では「表の章」と「裏の章」が続けて一気に上映されてきました。反響や感想もいただいております。
しかし「表の章」単独での上映は実質的に初の試みとなります。
新たな覚悟で臨むべく、気を引き締めていますが、正直不安もありますし、これまでになく緊張しております。

できれば、すぐに解決編である「裏の章」を見て、すっきりしてもらいたいのですが、すいませんが三週間お待ちください。
「表の章」は、童謡に秘められた背景に裏打ちされた薄気味悪い雰囲気や、多部未華子さんら俳優陣の芝居、劇場でしか味わえない独特の音響効果から主題歌の歌詞に至るまで<音にまつわる様々な伏線>を通して、深まる謎を楽しんでいただければ幸いです。

極めて実験的な試みであるがゆえに、大変かも知れませんが、皆様にはなんとか二作とも見ていただきたいと願っております。

では行ってきます。


7/1
本当に発売されているのか半信半疑だった小説版「こわい童謡」をチェックしに、近所の書店へ。
おおっ、ちゃんと平積みされている。TSUTAYAさんでは割と最前列に置いていただいている。当分足を向けて眠れない。
これでたぶん全国の書店でも置かれていることでしょう。

ついこの間入稿したばかりの小説がこうして書店に並ぶのは実に不思議な気分。他の出版社の人にこのスケジュールを話すと、「いったいどんな手を使っているんですか」と驚かれる。まさにイリュージョンだ。
今回の執筆スケジュールは、自分のこれまでの小説の中でも特に厳しかった。とにかく映画公開に間に合わせるのが至上命題で無我夢中のあまり執筆しているときの記憶が飛んでいます(まわりの関係者は絶対に間に合わないと思っていたらしい…)。
まあ、この作品に限らず、竹書房の他の小説(実録怪談とか映画ノベライズとか)も、かなり綱渡りのハードスケジュールらしいだけに、修羅場は慣れっこなんだろうけど、辛抱強く待っていただいた出版社には感謝です。
もう少し時間を掛けたかった部分もあるけど、それは言わない約束か。映画の宣伝もあるので、とにかく目にとまって欲しいものです。

昨日は本と映画の紹介をかねて、宣伝プロデューサーと共にネットテレビに生出演。
MCの新人アイドル二人ととりとめのない会話をする。
ちなみにMCの一人の名前は栗見真実!
「はじめまして!クリーミー・マミです!」
と挨拶された時はかなりビビリましたが、なるほど「段田男」以来の強烈なインパクトです。
想像力が喚起されるので、あえて名前の由来は聞いておりません。もう一人のアイドル、石井琴里さん共々応援してあげてください。

仕事の合間、馬場康夫氏の「『エンタメ』の夜明け ディズニーランドが日本に来た」を読む。
評判通りの面白さで、エンタテインメント業界の仕事に携わる者なら胸を熱くさせること間違いなしの内容だ。
文章は簡潔で読みやすく、テンポが良くてツボを押さえている…んだけど、これが個人的には少し引っかかる、というか、多分に広告代理店の企画書のよう。
良くも悪くもホイチョイの作品につながる印象もあったりする。
都合の悪い部分はうまくオミットされている点では「プロジェクトX」なんかに似た印象もあるし、他にも問題点もなくはないけど、この本自体が良質のエンタテインメントであることに異論を挟む人はいないのではないか。

続けて、元女子高生のライターさんによる援助交際日記の本も読む。
文章は稚拙で泥臭いけど、当事者にしか判らないプロセスを淡々と描写している点は異様な生々しさと説得力がある。
男の妄想や願望、さらには自伝特有の甘美なノスタルジーが入り込む隙のない赤裸々さは、完成度の高い低いとは別に、読み応え有り。
両極端のノンフィクションを読んで、すっかり目が覚めたところで、ひとから頼まれている脚本に目を通す。


6/13
小説版「こわい童謡」のゲラ戻しも完了し、やっと一息つく。
くどいようだが、ぎりぎりの突貫工事だっただけに、いまだに劇場公開の前に書店に並ぶのか予想できない。出版社からも電話もメールもないしなあ。とりあえずアマゾンでは6/28発売、予約受付中とあったが…。

そうこうしているうちに、BIGLOBEでは「こわい童謡 表の章」の冒頭13分が無料で配信されることになった。
ミクシィやヤフーのニュースでも取り上げられたから、それなりの話題になってくれれば。
ただまあ、予告編と合わせると、けっこうな情報量の事前公開。思い切った宣伝戦略が吉と出ることを祈るしかない。

ヤフーのニュース記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070612-00000025-rbb-ent

動画配信のページ
http://broadband.biglobe.ne.jp/program/index_kowaidouyou.html

正直なところ、最初から作品に興味があって、劇場に行こうと思っていただいている向きは逆に予告編共々見ない方がいいような。
自分も見るつもりの作品はたいてい予告編を見ないことにしているし。予備知識がない方が映画鑑賞は楽しいはず。ネットがなかった昔だって、TVスポットや劇場予告が始まると、思わずチャンネルを変えちゃうとか、席を離れるか、目を閉じたりしたものだ。あくまで予告編と動画配信は、行くかどうか迷っているか、とりあえず覗いてみようという人向きだと思います(あ、俺も見に行くか迷っていた「トランスフォーマー」は予告見て、行くつもりになりましたよ。予告編の功績はもちろん認識しております)。
理想は全盛期のスピルバーグのように、すべての見せ場をシャットアウトしたいところだけど、今はなあ、「大日本人」クラスじゃないとままならない(あれもすったもんだあったそうですけど)。まあ、全く関心を持たれず、ひっそりと公開されるよりはマシかもしれないけどね。

 しかし缶詰生活の末、久々に「こわい童謡」関連の情報をチェックしてみると、動画配信以外にも、コミック連載第二話は(手前味噌で申し訳ないけど)滅茶苦茶盛り上がっているわ、多部未華子さんや安めぐみさんのインタビューやらが目立つわ、プレスシートがヤフーオークションに並んでいるわ、悠城早矢さんのグラビア・インタビュー&「こわい童謡」見開きカラー特集をチェックするため、初めて「特撮ニュータイプ」を初めて買ったり(グラビア中心の特撮イケメン雑誌と思っていたら、意外にマニアックなのね)とちょっとした浦島太郎状態。公式サイトの更新も追いつかない有様です。
 あ、全然関係ないけど、「新オバケのQ太郎」のコミック、ついに復刻されましたね。「コロコロコミック」の復刻版のオマケだけど。

 さて、おそらく一年ぶりに一日だけ休みが取れたので、午前は資料整理、午後からは割と近所の「三鷹の森 ジブリ美術館」へ行く。
 目当ては二つ。一つは、ロシア童話「三匹のくま」の特別展示イベント。もう一つは館内で定期上映される、ここでしか見ることの出来ない短編映画の「めいとこねこバス」。

http://www.ghibli-museum.jp/cinema/

 入館して、とりあえずシアターへ行ってみる。ここでの短編映画の鑑賞は二度目。五年以上前に入館した時に見たのは、絵本を原作とした「くじらとり」で、原作の素朴な絵柄を生かした短編アニメーションに巨匠の余裕が感じられた。いかにも、こぢんまりとした品の良い児童美術館での上映にふさわしい作りが実に心地よかったものだ。
 しかし、今回の作品は絵柄からして、あの「となりのトトロ」のサイドストーリー、巨匠の手による、短編とはいえ実質的な続編である。
 まあ、力の抜いた小品だと思って気楽に構えていたら、大間違いだった。内容はこれから見る人向けに伏せるけど、とにかく緩急自在の宮崎節が全開。巨匠、飛ばす飛ばす。このノリを「ハウル」で見たかったなあ…とは言わない約束だ。
 いやあ、久々に映像を見て、びっくりさせてもらいました。後半なんて、宮崎アニメ(イメージ画含む)の定番の○○○やら○○○○までアレンジして飛び出してくるんだから凄い。たぶん抑え気味に作るはずが、乗りに乗ってしまい、こうなってしまったという印象だ。巨匠はやはりこの作品の世界観を心から愛して居るんだと実感させられる、なんとも濃厚な14分。なんだか私の大好きな「死の翼アルバトロス」を思い出してしまった。
 それにしてもまわりの子供たちの熱狂ぶりが凄かった。こんなに盛り上がる場内というのも、実のところ、「となりのトトロ」と「火垂の墓」の二本立てロードショーを初日一回目に有楽町マリオンに観に行って以来かもね。
 館内には、ツアー客のフランス人観光客も多数いらしていたが、こんな地の果てまで来て、いいもん見たんじゃないか(さらにもっと地の果てには、外国人クリエーター垂涎のプロダクションIGなんかもあるんだが)。
 しかし芸術はその地で鑑賞しないとダメとはよく言うけれど、巨匠の代表的名作の続きが、世界で唯一ここでしか見られないというのも、かの巨匠のいやらしさ全開でいいですね。
 しかしここでしか上映されない短編、あと四本も未見だ(ちなみにすべて宮崎監督作品)。フランス人よりは恵まれているとはいえ、次に鑑賞できるのはいったいいのことやら…です。


5/19
お陰様で新作映画「こわい童謡 表の章」と「こわい童謡 裏の章」が無事初号試写を迎えることが出来ました。
 これで作品は監督の手を離れます。突貫工事でしたが、なんとか見られる物に仕上がったと思います。
 可能性の探究という意味では、「レイズライン」以来かもしれません。こうした意欲的な企画を実現させ、完成まで支えてくれたすべての皆様に感謝を申し上げます。

 来週からマスコミ試写がスタートします。個人的には一区切りを付けて、体を休めたいところですが、全く余裕がなく、小説版を昼も夜も書いています。
 小説を書き終えて、間に合うなら試写会にも顔を出そうと思います。では。
小説版「こわい童謡」のゲラ戻しも完了し、やっと一息つく。
くどいようだが、ぎりぎりの突貫工事だっただけに、いまだに劇場公開の前に書店に並ぶのか予想できない。出版社からも電話もメールもないしなあ。とりあえずアマゾンでは6/28発売、予約受付中とあったが…。


5/2
例年GWは忙しいのですが、今年も相変わらずです。
 CG&VFX絡みでは最後の大仕事というべき某重要シーンが完成。
 手がけたのはアニメーション作家の坂本サクで、私の作品では、自主映画「レイズライン」のCG、VFX、音楽などを手がけてもらっていた。
 最近では押井守監督作「イノセンス」やNHK「みんなのうた」などで才能を奮ってきた彼だが、飄々としたキャラは相変わらず。こちらの無理難題な注文も、まさにサクサクとこなし、素晴らしいイメージで応えてくれた。感謝です。

 残された課題をこなしながら、息抜きで立ち寄った本屋で、月刊「コミック・バーズ」(幻冬舎)を購入。
「こわい童謡」のコミカライズの連載がスタートしたのだ。
 コミカライズって個人的には小学生だった「キング・コング」「オルカ」以来?(古すぎ)。
 最近は「着信アリ」なんかもコミックになっているし、「サッちゃんの都市伝説」もコミック化された。「サッちゃん」はほとんどオリジナルのホラー劇画短編集といった趣だけに、自分のオリジナル脚本をベースにした今回の「こわい童謡」は本当の意味でのコミカライズといえる。

 内容は、他の映画コミカライズと同様、限られたページで、長編のドラマを進行させるため、かなりのハイスピード。見せ場のつるべ打ちだ(ほら、コミックがTVアニメ化されると、妙に展開が間延びするでしょ。その逆)。
「表の章」「裏の章」合わせて2時間40分の映画を連載コミック化する大変さを思いつつ、違和感のない構成の妙に感心することしきり。
 劇画の作業は、映画の撮影とほぼ同時進行だっただけに、もっとイメージが異なると思っていたら、意外に自分のイメージに近い描写が多く、驚いた。
 逆に登場人物は映画の出演俳優とあまり似ていない(笑)。もちろん意図的だけど、内容がほぼ同じでこのギャップがまた面白い。
 同時に、尺の都合から映画ではカットを余儀なくされたシーンが、コミックでは生かされていたりと、うらやましく思う面も。
 これから書く小説のイメージにも多い刺激されました(って、いまだに小説を本格的に書いていないのは相当まずい)。

 さる知り合いさんから「最後の晩餐」のDVDが全米リリースされたことを教えられる。製作会社からは相変わらず情報ないし。
http://www.fantasium.com/detail.phtml?ID=FOR45511&PHPSESSID
 ジャケットがいい。どうせなら日本版もこれぐらいやるべきだったか。あとビハインドシーンが気になります。
 ちなみに日本でも買えるらしいです。いい時代になったもんだ。


4/25
時間に追いつめられながら、山積みの仕事を処理。終わらない。
諸々の作業と共に、ケータイ小説「渋谷怪談」の第九話「地図」を、テレビの「ロッキー4」をながら見しながら執筆。某バーチャル地球儀で起きた怪異を描いています。

それにしても「ロッキー4」、今見直すと恐ろしいまでに作り込まれたアレな演出ぶりは、その時代を知らない人にはもはやSFの世界か。織田君の「就職戦線異状なし」なんかも今見るとたぶんそうなんだろうけど、歴史上ではほんの一瞬であろうあの時代の気恥ずかしいまでの異様さが際だっている感じです。恐るべし80年代。

一眠りしてから某実録小説に取りかかる。一気に書き上げないとやばいです。

某国営遊園地に関する記事。
http://www.encount.net/rettou/2_2095.php

30年前、「スター・ウォーズ」公開前に、「宇宙からのメッセージ」や「惑星大戦争」をでっち上げた我が国なんて足元にも及ばない。
恐るべし天下国家。


4/8
某ムックで一風変わった短編小説を書くことになり、その準備。映画の本編集やMAも終わっていない中で、ケータイ小説と共に粛々と進める。というかケータイ小説、今日中に書かなきゃいけないし…。

睡眠不足のまま、昨日は久々に自宅で焼き肉。薦められて買ったワインを開ける。南ア産のワインなんて初めてだが、なかなかいける。掘り出し物。酔っぱらったついでに、角川の新雑誌を開けて、付録の「角川映画予告編集」を鑑賞。
76年の角川春樹事務所第一作「犬神家の一族」の予告編が始まると、眠りかかった脳が全開し、血湧き肉躍る興奮の坩堝と化す。

70年代、80年代の角川映画といえば、本編以上に強烈なインパクトを残していたのがCMであり、予告編だった。洋画のようなスケールとゴージャスでスタイリッシュな映像(あくまでイメージなんだけど)はたしかに停滞気味だった日本映画を変えるような予感を、小学生の自分にも意味もなく感じさせたものだ(今も、本編と共に予告編を作る時は、この角川映画と、映画本編を勝手にアレンジして別のイメージに作り上げて煽りまくった70年代の東宝東和の予告編を参考にしている)。

まあ、そんな角川予告編だけに、テレビで再生される映像の数々を、自分が想像以上に覚えていることにも感動する。
本編を見ている作品はもちろん、映像でちゃんと見るのは初めてのはずの「野性号の航海 翔べ怪鳥モアのように」「ニッポン警視庁の恥といわれた二人 刑事珍道中」も即答できる自分は、当時の日常がいかに角川映画に侵食されていたかの証だろう。

「犬神家の一族」から「人間の証明」「野性の証明」へつながる頃には、もう自分の中で「予告編が始まって5秒以内に作品名を当てないとアウト」と勝手にルール作り。
酩酊状態と緊張感が入り交じりながら、それでも次々と正解を続ける自分に乾杯。酒が進んで困る。酔拳とはこういうイメージなのか(違う)。

一番悔しかったのは、フライングで、「晴れ時々殺人」と「結婚案内ミステリー」、「伊賀忍法帖」と「里見八犬伝」を間違えたことか(ダメじゃん)。

酔いがさらに回り、簡単に思えてきたので、途中から、開始3〜2秒にルール変更。それでも「化石の荒野」をクリアして馬鹿笑い(これ劇場で見てんだよね。たしか初日に「窓からローマが見える」「宇宙空母ギャラクティカ サイロン・アタック」「0086笑いの番号」とハシゴしたんだよ。勉強しろよ、中二の自分)。
同じく即答の「蔵の中」も松原留美子さんの美しさに感服。あの世界にも憧れたなあ、厨房。
「悪霊島」は「レット・イット・ビー」が流れないことは予想の範囲内だったので(それでも少しは期待した)楽々クリア。ローズマリー・バトラーもキース・エマーソンもどんとこいだ(さらに途中からは画面一秒後に静止画像にして、タイトルを当てるという風にルール変更)。
今見直すと「時をかける少女」よりも「天国に一番近い島」の映像に感動している自分がいたりと発見も多々。
まあ、角川世代にとっては、こんな行為は似たり寄ったりなんだろうけど、今更ながら時代をリードした角川映画の偉大さを実感させるに十分だった。

このDVD自体は三時間以上あるんだけど、自分の「角川映画」のイメージは高校ぐらいまで(厳密には浪人時代の「キャバレー」ぐらいまでか)。
80年代末期以降は、他の出版社も後を追って、角川手法を真似ため、全盛期の勢いと独自性は色褪せてしまっていた(角川映画がなければ、徳間書店=ジブリもありえないわけだったのだし)。
「ルビー・カイロ」「REX」の頃には映画ライターや構成作家や脚本家の端くれもやっていたし、90年代以降、例えば「リング」「らせん」だって立派な角川映画なんだけど、自分の中のイメージは多くの読者と同じ、あの頃の妙にまぶしかった作品群。

自分が興味を失った時代以降の作品は、完全に酔いが回ってしまい、記憶がない。次に見る時もまた「犬神家の一族」から見直すことになるのだろうけど、また、同じように酔いが回って、だいたい同じ時期の作品で記憶がなくなるのは明白。
いつまで立ってもDVDの全貌にはたどり着けない…。


3/31
世間は花見ですが、こちとら頼まれた試写にも顔を出せない状況です。すんません。

そんな中で、ちょっとうれしい知らせが。
東京ドームアトラクションズにて、2人乗りの筐体で上映しておりました「4D渋谷怪談」(あっしが監督・脚本)が、好評のため拡大リニューアルになったそうです!素晴らしい。
12人収容の4Dシアターとして4月24日に新規オープンし、報告によると、春休み中という事もあり、かなりの動員を記録しているそうな。写真はオープン二日目のやつ。ギミック映画の帝王ウィリアム・キャッスルを意識したお台場サイコスタジオの演出を部分的に継承して、スタッフ、キャストで観客を楽しませているらしい。
まあ、いつまでやっているかわからないけど、花見やデート、行楽のついでに、はたまたドーム巨人戦の帰りにぜひお立ち寄りくださいませ。
そろそろ4Dの方も新作が見たいなあ…と思いつつ、時間が出来たら花見がてら自分もドームに行きたいと思います。

さて、仕事の方は、打ち合わせで都心に通いつつ、基本は自宅仕事にシフト。都心での仕事は朝昼晩ジャンクフードだったのに意外に太らなかったのは意外な発見だった。
精神衛生的にも自宅以外で一カ所にこもっているのがつらく、まめに外に空気を吸うため、買い物や散歩をしていたためだろうと勝手に思っている。
今は自宅仕事なので、打ち合わせ時の外食を除けば、昼も晩も自炊が多く、それはそれで健康的だけど、仕事に集中して机に向き続けたりして、動かなくなると本当に動かなくなってしまい、これはこれで不健康だなあと思ってしまう。

そういえば、テレビの健康バラエティで「ロハスなこだわり主婦(30代)」が出てきて、食事はこだわり素材のヘルシーな料理中心(ご飯は五穀米とか無添加無農薬)、サプリメントで栄養バランスを完璧にして、午後はヨガと水泳にいそしむ(たしかにそれなりにスリムで美しい人だった)。
その上で、ジャンクフードとラーメンが大好きな会社員の夫を馬鹿にしているというのだが、番組では夫婦の日常を対照的に見せつつ(旦那は営業の合間に、約十分で豚骨ラーメンをがっつき脂ギトギトのスープまで飲み干す!とか)、後日、二人を血液検査などの健康診断をしてみると、夫の方が遙かに健康体で、ロハス主婦が唖然とするというオチ。

まあ、30代の営業マンなら通勤も含めて朝から晩まで歩き回っているし、都会の豚骨ラーメンも店によっては素材にこだわっているだろうし、そもそも豚は食べ方や食べ合わせで新陳代謝を加速させ、脂肪を燃焼させる効果があるはずなので、当然と言えば当然。
それに比べれば主婦の運動量はごく限られているし、ヘルシーな食材も意外とカロリーが高かったりする(ほら豚と豆腐がほぼ同じカロリーだったりとか)。
嘘はついていないけど、けっこうに悪意に満ちた作り手の視点に笑ってしまった。

 フィクションに限らず、ドキュメンタリーやバラエティにも必ず作り手の主観が入ってくるから、それを推測しながら見ると楽しい。馬鹿を装っているか、単に馬鹿か、バラエティ一つを取っても千差万別だ。

 最近見ていろいろ考えさせられたのが、某国営放送でやった国民的人気アニメ監督の密着ドキュメント。
クリエーターが苦悩するのが、とても珍しいような視点はどこまで狙いなのか、なんとも不可解だった。
「創作作業が追いつめられると、監督はどんどん不機嫌になっていく」という至極当たり前のことをとても珍しげに追っているのは視聴者的視点で仕方ないとしても、単独密着取材を許されたディレクターが要所要所で巨匠に浴びせる質問がなんとも的はずれで、巨匠がますます不機嫌になっていく。狙いなのか。
あまつさえ、巨匠にインタビューした女子アナも「巨匠でも悩むんですねえ」などと「週刊こどもニュース」なら許されるレベルの質問で、苦笑いする巨匠(住吉アナは好きなんだけどなあ)。
まあ、不機嫌にさせれば創作意欲も高まって新作もばっちりなんだろうけど、それにしても。(ちなみに「新作の舞台が海で、これは巨匠の新境地」などとナレーションが入っていたけど、あんたのところの国営放送でやっていた巨匠の某「未来少年」もほとんど海が舞台の作品なんだし、短編も含めれば、海ネタはけっこうやっているんだけど。そもそも、新作の「少年が、人間になりたい金魚姫と出会う」って話は、「コナン」「ラピュタ」「カリ城」パターンで全然新境地じゃない)。

 密着取材としては、息子さんとの確執も含めて、(百日取材とはいえ)、なかなか踏み込んだ映像で、新作がいかにして生まれたかがよくわかる作りになっていただけに、そこに余計な装飾が入り込みすぎて残念な仕上がりになっていた。
 この調子だと、新作が公開後に「完全版」を放送するんだけど、今度はちゃんとやってほしいもんです。

 話を強引に戻すけど、水泳やヨガはリラックス効果(とそれに伴う健康効果)はあっても、それだけでスタイルや体重、健康を維持できるのは幻想と思っているんだが、どうでしょう。
小学生の頃から水泳をやっていた立場で言えば、水泳で痩せるとは到底思えない(今やミキティや真央ちゃんの練習場でおなじみの名古屋スポーツガーデンのスイミングスクールに通っていたのだ)。
たしかに水泳は肺は鍛えられるけど、風邪予防だけを取ってもプールの水を通して他人のウィルスに感染する確率もそれなりにあるから、どっちもどっち。
「泳ぐだけで痩せられるのならカバはとっくの前に痩せている」とは昔からよく言われるんだけど、最近目にしたサイトによると、特に子供の頃から水泳をやっている人は、水泳で脂肪を落とさないように体質が作られているため、大人になって水泳をやっても全く痩せないそうな。
自分も少し前、近所の温水プールに通ったことがあるけど、体脂肪率とか体重にまったく変化がない(というより飯が美味しくなるので、食が進んで、逆に太る・笑)ので、やめてしまった。

スポーツクラブなんかで娯楽としてスポーツを楽しむのはありと思うけど、健康だけならやっぱり歩くのが一番でしょうか。
ほら巨匠も「♪歩け歩け」と言っていたし(ドキュメンタリーではアンティークな外車を乗り回していたけど)。
とりあえずドームまで歩いてみようかと思います。


3/26
スタジオでの仮編集を終えて、ほっと一息…のはずが、今度は自宅での作業が引き続き行われ、休む間もなし。
まあ、でも自宅で自分のペースで仕事ができるのはやっぱりいいもんです。
都心で朝から晩まで仕事をしていると、何が不自由っていえば、食事でしょうか。
とにかく、うまそうな飯は高いし(ウニとからすみのペペロンチーノ1800円とかさ)、リーズナブルで時間の融通が利く飯といえばマック、松屋、ドトール辺りに限られてしまう。
編集も終盤になった頃、やっとスタジオの近所にリーズナブルで美味いインド料理店を発見して、毎日通うことが出来たのは収穫だったけど(ここはオススメですね。松屋のカレーと百円違いで炭火ナンと本格チキンカリーが大盛りでいただける)。
で、ここ最近の都心暮らしで一番驚いたのが、松屋の牛丼が美味しくなっていたこと(そこかい)。ひと昔前の松屋の牛丼って不味くて食えたもんじゃなかったはずだけど、今じゃ復活牛丼の吉野屋よりもいける気が。やっぱり時代は日々変わっているのですねえ。たまには朝昼晩とジャンクフード漬けも悪くないです。

久々の都会暮らしのせいか、なぜかここ数日、目の前でよく落とし物を見つけます。
三日前は、すれ違った老人が財布から万札を落としたので、拾って教えてあげたし、昨日は業界人風の兄ちゃんとすれ違い様に、その人が分厚い財布を落としたので、これも拾って教えてあげて、すっかりいい人に成り下がっています。他にも五百円硬貨や映画の前売り券を拾ったし。
昔、高校時代に自主映画を撮って、現像代がどうしても足りず、「ああ、あと五千円あったら…」と道を歩きながら祈っていたら、本当に道ばたに五千円札が落ちていたという奇跡を体感して以来の落とし物ラッシュ。このままの勢いで、竹藪で分厚いバッグの一つも見つけたい物です。

さて、自宅仕事に戻って、気分転換にぶらりと散歩すると、行きつけの魚屋に「しめ鯖OKの生真サバが入荷!」とあるので購入、久々にしめ鯖に挑戦する。が、サバの質のせいか、自分の調理がヘタになったのか、味はイマイチ。冷蔵庫に入れて、明日の唐揚げ用に変更する。魚で失敗するのは久々か。まあ、あたらなかっただけマシと考える。

翌朝、仕事の都合で久々に某名作ホラーを鑑賞。必要な箇所だけチェックするはずが、結局最後まで見てしまう。
改めてホラーに必要なのは役者の巧演、熱演につきると実感し、若き霊媒師役のパメラ・フランクリンも可憐さに今更ながら時を忘れる(あ、某になっていないか・笑)。
「レイズライン」のヒロインって、案外ここの影響かも知れないと認識。
彼女って、あの古典ホラー「回転」の不気味な子役でもあったのね。今まで気づきませんでした。
ほぼリアルタイムで小学生の頃見ていた「女子大生 恐怖のサイクリング・バカンス」や「巨大生物の島」と合わせると、知らず知らずに自分はスクリーンやブラウン管で様々な年代の彼女を見ていたわけだ。ホラー・ヒロインなんかにならなきゃ、もっと売れたかも知れないのに(そう思うと、堀北真希さんはそうゆう「罠」からうまく脱したなあと実感)。

ホラー・ヒロインと言えば、マイミクさんが名匠ジャック・ドゥミの上映特集で、あの実写版「ベルサイユのばら」を鑑賞されたことを思い出す。
ベルばらのヒロインに抜擢されたカトリオーナ・マッコールはその後、「地獄の門」「ビヨンド」「墓地裏の家」などのゲロゲロ・スプラッタのヒロインを演じた後、消えてしまった。
欧州人に彼女が、日本の化粧品のCMでイメージガールを務めていたことを話しても誰も信じないだろう。私自身もあのコントのようなオスカルよりも、フルチ・ヒロインの方がしっくりきます。

ホラー・ヒロインっていうと女優にとってある種のマイナス・イメージに思われるかも知れないけど、基本的に雰囲気がある子じゃないとできないんですよね。
ただ、ホラーで受けると、そのイメージが強くなりすぎて、他のジャンルの役が回ってこなくなるから、どうしても演技派は敬遠しがちだけど、ホラーのイメージにない役者さんでもいざ挑戦してみると、驚くほどマッチすることは多々あるんですよ。
それにしても日本にも、どこかにパメラ・フランクリンのような女優さんがいると思うんですけどね(いないっすかねえ?)。ホラーなんて見るのも演じるのもダメでいいんで。

新作の作業をひとしきり終えた後、ケータイ小説・渋谷怪談「伝説の男」を執筆。
いつもより気合いを入れて書いたせいか、文字数が大幅に増えてしまい、担当に謝る。
ケータイ小説では文字の読みやすさも重要な要素なので、別の意味でストレスがたまることも。基本的には好きな仕事なのでもっとクオリティを上げたいところ(こればっかりは才能が…)。

夕飯はある素材のデータを受け取りに再び都心へ。
これが最後かもしれないので、行きつけとなった爆安インド料理店で、インドビールとパパドゥ(インド煎餅)、タンドリーチキンなどをいただく。
200円のタンドリーチキンの旨さに絶句。ああ、こんな店が近所にあったらとしみじみ。
満腹で店を出たところで、今日自宅で揚げるはずだったしめ鯖が冷蔵庫に入ったままだと気づく。まあ、明日にするかと思いつつ、大丈夫かいなと少し不安になる。


3/19
ご無沙汰しております。
都内某所にこもりきりで新作の編集に取り組んでいます。
なかなか切り替えが出来なくて、日記を書く気になりませんでした。
朝六時に家を出て、終電で帰るというモーレツ社員のような暮らしはまだまだ続きます。
とはいえ編集はなんとか仮つなぎを終了。
一息ついたものの、その他にやることは山積みで、ゴールは遠しという感じです。

気がつけばアカデミー賞も終わっていたのですね。浦島太郎状態です(同学年の宇多田さんの旦那も離婚されたんですね)。
今朝の新聞を見ていたら、「今が旬のオスカー監督」スコセッシさんが教育テレビのドキュメンタリーで今村昌平監督作品について語るとかやっていますが、あの新作でオスカーってのも、ある意味失礼な話しだよねえ。リメイクを差っ引いても(って見てないけど)。
でもなあ、もういい加減マスコミも「アカデミー賞予想」とか辞めればいいのね、と思ってしまいます。
あれって、アカデミー会員であるハリウッド映画人の人気投票でしょ。「あいつは気に入らないから投票しない」とか「あいつにゃ、そろそろあげてもいいんじゃないか」とか、そんなウチワの空気で成立しているのだから、そんなのを部外者がノミネート作品の評価や成績と照らし合わせて予想すること自体、ほとんど意味がないと思うんだけど(それにしてもスコセッシの受賞のプレゼンターが旧知のスピルバーグとかルーカスじゃ、他の監督はあり得ないだろうから、誰が見ても出来レースなんだろうけどね)。
日本人女優や、オール日本語の戦争映画がノミネートされて、一部のマスコミが「ハリウッドは変わった」とか騒いでも、結局ノミネート止まりだし、肝心の部門はやはり従来通りのテイストの作品群がもらっているのだから何を況や。やはりアカデミー賞授賞式はショーとして楽しむに限ります。

さて、今晩の今村作品特集の記事解説によると、スコセッシは新作で影響を受けた作品として「復讐するは我にあり」を挙げているそうです。えっ、そうなの?まったくイメージ違うんですけど。
個人的には今村作品はあまり馴染めないのですが、唯一その凄さを理解できたのが「復讐」でした。
あれはたしか小学高学年、地元名古屋で、「がんばれ!ベアーズ」のバッタモン便乗映画「GO!GO!タイガース」(後に「13金」を撮るショーン・S・カニンガムが監督なんだよね。当時は知る由もないけど)をなぜかロードショーで一人で観に行って、初日の日曜の昼だというのに客が誰もいないセントラル劇場の場内で、流れたのが「復讐」の予告編。
今じゃ最低でもR-15な内容だけど、当時は規制無しだから、小学生も全然OK。まあそれはそれで小学生には凄い見せ場の連続で(今見ればサイコスリラーとしても秀逸なんだけど、その見せ場だけをつなげた予告編はそれはもう・笑)、肝心の「タイガース」はそれなりに覚えていても(意外に面白いのさ)、予告編の後に鑑賞した同時上映作品が何だったのか、いまだに思い出せないほどの強烈な印象を残しているわけです。
ちなみに、この作品と、「世界が燃えつきる日」を観に行った時に流れた「シビルの部屋」の予告編辺りが自分の性の目覚めでしょうか。

話はそれだけど、まあ、スコセッシが影響を受けたというのは、淡々とした殺しの描写でも、今や東京タワーではすっかり○○な倍賞美津子さんのブルンブルンでもなく、恐らくクライマックスの三国さんと緒形さんの対面シーン辺りなんでしょうけど。それにしても「デパーテッド」とは。

三月に入って、初めてやっと午前中に休めたので、朝風呂に入り、届いていた「ダリオ・アルジェント 恐怖の幾何学」(矢澤利弘著/ABC出版)を読む(ロフトのイベントには行きたかったが、案の定、編集スタジオから抜け出せず…)。
この手の映画研究本には、書き手の思い入れが強すぎて資料やデータが詰め込みすぎて未整理で読みにくかったり、気負いがありすぎて余計な駄文が目立つ場合が多々あるけど、これはあくまで可能な限りの事実(伝聞も含めて)を整理して努めて冷静に分析し、紹介することに徹している点でとても好感が持てる。
内容的にも、初心者でも十分入り込める丁寧な作りでありつつ、マニアもずっしり読み応えがある充実した仕上がり。まあ、自分ぐらいになってくると、なかなかアルジェントの新事実を発見することは難しいけど、既出の情報も巧く構成され(愛情のなせる業なんでしょう)、それでいて自分の知らない秘話が要所要所にあったりと侮れない。映画の編集も完全に終えていないというのに、危険な本に出会ったという感じだ。

たまにアルジェントの魅力について聞かれることがあるが、個人的には何より「ストーリーテリング」にあると思っている。こう言うと意外に思われるかも知れない(映像美?なんですか?)。「アルジェント映画の脚本は支離滅裂」と言う人も多いが、あの支離滅裂さ加減は脚本が書ける人間が、あえて好きで支離滅裂にやっている部分が多々ある気がする。脚本書けない人間が単に支離滅裂にやっても絶対ああはならない。あれがアルジェント作品を支える独特の味わいになっていると。自分も脚本家出身だけに、「わかっちゃいるけど、やめられない」という気持ちはとてもよくわかるんだけど、それをそれなりのバジェットでやり遂げてしまうアルジェントにはやはり尊敬の念を禁じ得ない。

この業界にいると、アルジェント・ファンなんて、掃いて捨てるぐらいいるんだけど、いざ女優さんとなると、なかなか出会えないのが残念だ。しかし今回の新作で重要な役柄を演じる某女優さんは部類のホラーマニアにしてアルジェント・ファンであった。
ルックスはドミニク・サンダ(もちろん「世界が燃えつきる日」の、だ)似で、某ネズミ−王国のCMにも出演している凄い美人なのだが、私が役のイメージをマイナー・ホラーに例えて言うと、「あ、それ、私見ています。好きな作品です」「それも見ています。脚本のイメージ通りですね」と目を輝かせ、打てば響くという感じだった。なぜ、こんな人がホラー初挑戦なのか、首をかしげるぐらいなんだけど、意外なところに隠れファンはいるのかもしれない。

アルジェント本をパラパラと読んだ後、昼になり、「菜の花と春キャベツのペペロンチーノ」を作って食べた後、買い物へ。
スーパーで生にしんを見つける。「刺身用」と書いてあり、迷わず購入。東京でにしんの刺身が食べられるとは。にしんの刺身といえば、ししゃもの刺身と並んで北海道でしか食べることが出来ない代物だったのに。とりあえず夕飯が決まり、さらに立ち寄った古本屋で、ノベライズ「未知との遭遇」と「愛蔵版・ドロロンえん魔くん」を購入する。

「未知との遭遇」はスティーブン・スピルバーグ著とあるが、果たして?「スター・ウォーズ」一作目のノベライズも「ジョージ・ルーカス著」とあるが、これはたぶん恐らくゴーストさんなんだろう。しかし「未知との遭遇」は、ポール・シュレイダーの初期脚本を自ら大幅に手直しているだけに、あながちでもないかもしれない。そう思って読んでいるとスピルバーグが書いているようにも思えてくる。まあ、カントクにノベライズを書かせる慣習が定着しているのは、たぶん日本ぐらいだろうし、きっと違うんだろう(ちなみにガンダムのノベライズは富野さんが書いていると聞いた。特に一作目は自ら企画を出版社に持ち込んだというのだから凄い)。
あちらでは新進気鋭の作家がノベライズを手がける話しを聞いたけど、どうなんでしょう。例えばクーンツが「ファンハウス 惨劇の館」のノベライズを書いていたりとか。
そういえば昔はノベライズは昔はやたらと買っていたのに、自分がノベライズを書く立場になってからはさっぱり読まなくなったとしみじみ反省(実は自分の作品以外にも、某有名外国ホラー・スリラー映画の小説版を書くという話もあったのだ)。

「えん魔くん」は個人的には性の目覚めというより、元祖セクハラ漫画のイメージが強い。
こんなのをメジャー雑誌で連載し、全国の小学生が愛読していたのだから、今の30代後半に性犯罪者が多いのは仕方ないではないか(笑)。
でも今見直すと、セクハラ描写よりも、意外に妖怪描写や怪奇描写がしっかりと描かれて新鮮な驚きがあった。知らない間にけっこう影響を受けていたんだなあとしみじみとしてしまった。

自宅に戻ると、ケーブルテレビでちょうど「侍ジャイアンツ」が放送していて、ついつい見てしまう。
絵コンテがコンテマン時代の富野さんだったりして、いろいろ映画的な構図の発見がありつつ、そのあまりのストレートでダイナミックな面白さに圧倒される。

夕方、ケータイ小説「渋谷怪談」の新作を執筆していると、メールで嬉しい知らせがいくつか届く。
以前に提案していた企画が通る見通し。また別の企画は規模がかなり大きくなって前進。自分の手を離れてしまう可能性もあるけど、ともあれその行方は見届けたい。

今年は、いろいろ新しいことにもチャレンジしたいと思っているので、面白い企画が前進するのは何よりの活力となる。さあ、頑張るぞ!と思っていると、ケータイに電話。仮つなぎに関する、いろいろな注文が入る。ゴールは近くてまだまだ遠いという感じだ。
まず新作を納得のいく形で完成させることに集中しよう(しかし、久しぶりに文章書くと楽しいなあ)。


3/1
クランクアップ後のドタバタがようやく落ち着き、編集の準備に取りかかります。

この合間に、ケータイ小説・渋谷怪談の第八話「おともだち」を執筆。一ヶ月ぶりの小説は過酷な撮影のリハビリにはちょうどいい案配でした。なかなか怖いものになりました。

それにしても、この約一ヶ月の撮影で五キロ痩せたとはいえ、その実は朝昼晩でロケ弁(コンビニ飯含む)、さらに夜中には数多の差し入れ(皆様ありがとうございます♪)、早朝には夜食も食べていたわけで、普通に考えれば明らかにオーバー・カロリー気味(それだけ不眠不休のハードワークだった)。
そんな胃拡張な食習慣から、いつもの自宅の食習慣に戻るのがなかなか難しい。
自宅で小説や脚本を書いているだけなら、ロケ弁は一つで十分なぐらいの、いやいやそれでもへたしたら太ってしまうぐらいの質素な?暮らしだけに、ギャップはかなりのもの。
逆に、広がった胃袋をいきなり元に戻すのも難しく、当分はデスクワークなのに、ロケ弁三つ+夜食(スタッフの中には、ペヤング超特盛をたべている強者も何人かいた)ぐらい食べないと落ち着かない感じだ(結局元の体重に戻りそうな予感…)。
そうそう、その胃拡張の勢いでやっとこさメガマックを食べたんですけど、予想より遙かに小ぶりでミニチュアな現物にガッカリ。あごがはずれるぐらいの奴期待したんですけどねえ。
ビッグマックに肉が増えているだけじゃ…。これで1000カロリー・オーバーとはどうにも納得できません(バーガーキングの方がよっぽど強烈な気がしますが、どうなんでしょう?)。
今の自分ならメガマック二つとポテトのMとコーラのMは余裕で食べられそうだ。撮影で食の感覚がおかしくなっているだけかもしれませんが。
まあ、また編集で不眠不休になるのは確実なので、無理して戻す必要もないかなとも思ったりします。
とりあえずエアポケットのようにスケジュールが空いてしまったので床屋に行く。気がつけば最後に髪を切ったのは、脚本作業が佳境に入りつつある11月。この三、四ヶ月間、実質一日も休めない状態が続いていたわけだ。
まあ仕方ないと思いつつ、長くなった髪をばっさり短くして、気持ちを新たに編集に取り組みます。
編集以外にも、いろいろな状況が次々と決まり、いよいよ公開に向けて慌ただしさが増しそうです。


2/23
山ごもりで取り組んだ新作映画が無事クランクアップし、先ほど帰宅しました。
いやいや、欲張りすぎな脚本etc…、大変な現場になってしまいましたが、優れたキャスト、スタッフのおかげで何とか乗り越えられました。
まあ、まだ本編以外にもいろいろ山積みですが、とりあえずは峠を乗り越えた感じです。
ちなみに体重は五キロ痩せました。贅肉が取れていいい感じです♪


1/31
新作のクランクインがいよいよ明日に迫ってきました。
夕方に東京を出発し、今日中に現地入り。そのままこもりっきりで、およそ20日間の撮影に臨みます。

お陰様で今回の脚本は、自分の作品の中で最も評判がいいようなので、(限りある環境ながら)その期待に違わぬ映像に仕上げられるよう全力を尽くしたいと思います。では。


1/14
体調もまずまず回復し、新作の準備に打ち込む。
たしかな手応えを感じつつ、新たに浮上した懸案に向き合う毎日です。
同時に、新作以外にも、面白い企画を提案していただき感謝。前から興味があった媒体なので、ぜひと心の中では思う。
いずれにせよ、新作をきっちり撮り上げるまでは手を出せないので目の前の仕事に集中です。

深夜、仕事中にテレビを付けていたら、愛ルケのキャンペーンで寺島しのぶさんがバラエティに出ていた。
きゃい〜んとのトークで彼女が「裸も衣装なんです」と発言して妙に感心する。
なんかこの映画に絡むと日常の台詞まで浮世離れしてくるのか(トヨエツとかヒラケンの顔がぐるぐるよぎるんだけど)。
いやいや、まさしくそうであって。見せるための裸、見せるためのベッドシーンは、現実のそれとは違う。
これは何にでも言える話で、セックスにしても、殺しにしても、何にしても、現実の光景は実は淡々として第三者の鑑賞に堪えられる物じゃない。
ドラマとして、見せるためのフィクションの光景には、見る側の妄想が加味されて、「こうあってほしい」という願望を微妙なバランスの上で叶える意味が込められている。
その願望と現実のバランスに解離性があるほど、「共感できない」とか「リアルじゃない」とか言われるんだけど、観客の中にあるリアリズム自体もかなりいい加減だったりする。

「裸も衣装」といえば、あの紅白騒動も似たり寄ったりだなあと思いつつ、そういえば寺島さんの発言に感激した聞き手のウドちゃんが「僕も同じです!」と彼女に握手を求めたのは思わず笑ってしまった。
それにしても、この三つが同じラインで並んでしまうのも、裸ってすごいなと妙に感心した次第です。

あ、そうそう、ケータイ小説・渋谷怪談の第八話「ラブホテル」書きましたんで、よかったら読んでください。


1/11
年末年始も仕事に打ち込み、正月明け、気がつけばぶっ倒れて寝込んでいました。
医者からは「よくある過労だねえ」と言われましたが、そういえば一昨年のクリスマス、「リアル都市伝説」の編集直後にもぶっ倒れて、同じことを言われましたっけ。

一晩寝て、朝から都心で四件の打ち合わせ。
これで体調がもりもり回復…と思いきや、今度は猛烈な鼻水と喉痛と高熱に見舞われ、ダウン…する暇もないので、マスクして打ち合わせと自宅仕事を徹夜。
一向に治らないため、数日後、再び医者に行くと「過労で弱った体にウィルスが入りましたなあ」と言われる。
幸い胃腸は絶好調だったので、流行のウィルスとは別のタダの風邪らしい。
しかし打ち合わせの先々で「のろ?のろ?」と聞かれて、ふらふらの頭に「プラカードを持ったミスター赤ヘル」の姿がかすめたりして、五月蠅いことこの上ない。
こんな状態に体も慣れながら、やっと五ミリ程度の心の余裕が出来たので日記を書いています。


1/3(2007)

本年も宜しくお願いいたします。
正月も新作準備でずっと仕事しております。まあ、私のまわりはそんな奴ばっかですけど。

いよいよクランクインが迫ってきたため、あれやこれや書く時間もなくなりそうです(守秘義務もありますし)。
昨年は小説で完全オリジナル作品を発表できましたが、商業映画ではこれが初めての挑戦です。そんな機会に恵まれたことを光栄に思いつつ、結果を残すために全力で立ち向かっていきたいと思います。


12/31
慌ただしいですねえ。
皆様よいお年を!


12/24
すべてのロケ場所の目処がほぼつき、確定した主要キャストのイメージをすり合わせながら、いよいよ決定稿に取りかかる。
 もともと脚本は容量オーバーの傾向が強く(余裕目に撮って後から削るんだけど)、編集で地獄を味わうこともままあるため、今回はプロデューサーから「削れ削れ削れ」と呪文のように念を押される。現場を安心させるためにも、少なくとも後半はあと10ページ削るつもり。というか今削っています。

 週末はタイトル会議。現在一部で出回っているタイトルはあくまで仮題。私のような映画向け完全オリジナルで、カントクの知名度の低い作品では、まずタイトルはベタでわかりやすさが求められる(公開ラインナップで一見???なタイトルは大抵原作付き)。
 また劇場公開時とDVDリリース時では営業サイドから求められるタイトル・イメージが微妙に異なるため、双方のすりあわせが必要だ(あと海外セールス用も考慮しないと)。

 普通は原作の映画化なら余計な苦労はないはずだが、その映画化だって「湘南人肉医」だし(いや個人的には大好きなんだけど・笑)。
 「最後の晩餐」というタイトルは、劇場対策などを考慮して自分が最終的に考えた数案の一つだけれど、今思えば、これはやはり「湘南人肉医」のままで行くべきだったような(役者やスタッフの間でも意見は真っ二つに分かれた)。ただ海外セールス向きにはあれでよかったという意見もあり、悩むところです。

 タイトルと言えば「渋谷怪談」は結果としてなかなかだったと思います。これも元々の製作サイドの仮タイトルは「邪霊」「ついてくる」だったけど(笑)、個人的には「類推されるのはイヤだなあ」と若気の至りで思っていたので、コンセプトを都市伝説テイストにシフト強化することで差別化して、舞台設定を渋谷に限定することで、自然とタイトルがそう変化していった経緯があります。
 あと「子守り首」もインパクトはあるものの、キーワードコンセプトの「童謡」はタイトルに盛り込みたかった気もして、もういつまでたっても結論が出ない。

 で、今回の新作、内容的には従来のJホラーと方向性が異なる上、後半は完全な科学ミステリー&スリラーなので、従来のホラーファン層以外にもアピールしたいのは皆一致している。
 これまで、過去に提案された分も含め100案ぐらいが会議に掛けられてきて、今日でほぼ確定しないとスケジュール的にやばい。
 会議では皆が納得するキーワードが絞られる。また、そのキーワードから広がる新たな単語が指摘され、くっついたり離れたり。数時間後、タイトル案は五つになんとか絞られる。これを不在の偉い人たちにプレゼンし、最終タイトルが確定する。
 果たして、決定稿に刷られるのは、どんなタイトルなのか。

 打ち合わせの移動の合間に、渋谷にあるフランスパンの名店(らしい)「VIRON」でバケットが焼き上がった直後だったので一本購入する。なぜ焼き上がりのフランスパンはこんなに美味しいのか(VIRONだからか)。
 店を出た直後、入れ替わりで入ってきたシェフ風の兄ちゃんはまとめて六本も買っていき、すぐに品切れ。今日の運はここで使い果たしたらしい。
 クリスマス一色の老舗デパートやドンキの前をぶらつきながら、パンをちぎってかじり、ついでにオープンカフェに立ち寄って、遅れ気味のケータイ小説「渋谷怪談」のプロットを練る。今度のタイトルは「デパートの住民」。
 ロケハンのバスの移動中ノートパソコンに向かい、やっと書き上げる。来年早々の撮影のことを考えると、あと二話は年内に書き上げなきゃいけない。さてさて。


12/18
新作映画の準備のため、関東郊外のロケハンと、都心での打ち合わせの毎日です。
世間では「今年も残りわずか」ですが、カントクの仕事はこれからが本番。私の回りは、とても宴会の雰囲気ではございません。ええ、マイミクさんにお呼ばれした忘年会にも顔出しできませんでした。すいません。

今日は、今まで懸案だった事項が次々と埋まり、急速な寒波到来に思わず引き締まった青空のようにすがすがしい一日でした。
くどいようだけど、今回の作品は初めてクランクイン一ヶ月前に自作の脚本がほぼ書き上がっているため、優秀なスタッフが何をすべきか把握でき、実に動きがいい。ああ、映画の現場って、こうなのねと感心してしまった。(いやいや本当の地獄はこれからなのさ)と内心笑いつつも、肝心の絵コンテがロケハンやら諸々の都合で描き上がっていないので、全く気は抜けない。他にも課題は山積みされつつも、まあ、今までよりは真っ当な作品…いや現場になりそうな気配です。

さて、ロケハンの楽しみは見ず知らずの場所で、意外な美味いものに出会える点か。
撮影中はそれどころじゃないし、旅気分のゆとりがわずかに残るロケハンの昼飯は意外な穴場に出会える可能性がある。
先日も立ち寄った高校の前の定職屋は、養豚場のすぐ近くのせいなのか、カツ丼のボリュームが半端じゃなかったし、安い上に肉質も抜群で感動してしまった。
行く先々で「手打ちうどん」や「手打ちそば」の風光明媚な看板が目にとまるし、絶対うまそうな老舗の洋食屋やフレンチ、ラーメン屋が目に飛び込んでくるのは、自分が単に疲れているだけか。
かと思えば、今日の昼は、ロケハンの都合で立ち寄った高校の学食(笑)。山盛りのカレーライス240円をいただく。
池袋のスナックランドを彷彿させる濃厚な味わい(煮詰まりすぎともいう)が口の中一杯に広がる。お吸い物はうどんの汁にわかめが入っているだけだけど、妙にしょっぱいルーとの相性もぴったりで文句なし。前頭葉にがつんと響く美味しさだ。おまけにご飯もルーもお変わり自由。こんなことならカツカレーにしとけばよかった。

ロケハンを経て、都心の打ち合わせの帰り、書店で「セブンティーン」を買う。
拙作「子守り首」を、セブンティーンモデルである上原奈美さんが紹介してくれているのだ。購入がずいぶんと遅れてしまった。
早速パラパラとめくるが、なかなか肝心のページを発見できない。
気を引き締めて最初から丁寧に目を通すが、どうしても見つからない。
チカチカするような極彩色のレイアウトで目くらましにあっているのだろうか。
三巡目でようやく気づいたが、「セブンティーン」って隔週誌なのね。
つまり目的の「12月6日発売号」は前号。がーん。
まあ、「子守り首」は載っていないけど、上原奈美さんは相変わらずオシャレでかわいいので、よかったら買ってあげてください(涙)。


12/13
ただでさえ慌ただしい師走というのに、来年早々にクランクインする新作映画の準備が本格スタートして目の回る忙しさ。まだ制作会社にスタッフルームはないため、日に日に増す準備の荷物を抱えながら移動やら、ロケハンで関東をぐるぐる回りながらの連日の会議と打ち合わせ。

それでも、今回は監督になって初めて、自分の脚本が撮影一ヶ月前にほぼ仕上がっているため、いつもよりは多少気持ちにゆとりがある。というか、それがフツーなんだけど(笑)。これまでは撮影直前まで死ぬ思いで脚本書いたり絵コンテやっていましたからねえ(いや、前の仕事がずれ込んだりとか、いろんな理由があったけど、結局は自業自得)。

まあ、今回の脚本執筆も、普通の映画脚本に比べれば、まだまだ全然足りない状況で仕上げているんだけど、手応えはあります(小説「子守り首」の執筆の時に調べた資料や知識が結構役に立っている面もあるし)。脚本的には、これであれこれ言われてももう仕方ないという内容です。あとは演出。それはこれから。いよいよ全開です。

キャストも今のところ、自分の理想通り。自分が今最も注目している若手俳優さんに出演してもらう予定。何とも贅沢なキャスティングだが、意外なところで「レイズライン」の時代との接点があったりして、人のつきあい、つながりこそが仕事の要であると実感させられる(サポートしてくれる皆様のおかげです)。
まだこれから声をかける予定の俳優さんも(スタッフ様も含め)いますが、今回は設定上かなり役が限られているので、声がかからなかった人はすいません。次回作でご縁があれば。

今はまだ書けないことだらけだし、まだまだクランクインまで紆余曲折あると思いますが、トラブルも含めて、今はこの魑魅魍魎の状況を楽しみながら、準備を進めたいものです。

で、まあ気合い入れるわけではないけど、なぜかニンテンドーDSを衝動買い。息抜きにどう遊ぼうか全く考えていなかったけど、買った矢先にドラクエの新作がDSに来ることが発表される。こいつは幸先いいね(そう?)。




12/7
聞くところによると、xboxイギリスのCMが放送中止になったらしい。まあ、面白いんだけど、スシテロ騒動の最中ではやっぱり過激すぎるか。↓

http://www.youtube.com/watch?v=CSj6rGAdi7s
(↑削除されているかも)
xboxといえば、以前欧州で放送していたCMは、個人的にはここ数年でベストとも言うべき素晴らしい出来だったが、これも知らない間に放送中止になったようだ。

http://www.youtube.com/watch?v=n_0aPnm_zH0


「人生は短い、だからxboxを楽しもう」は至極真っ当なコピー。
いや、本当に人生はあっという間。十代やそこいらで自殺しなくたって、うかうかしていたらあっけなく死は訪れる。
個人的には死ねば人は無に帰ると思うし、宇宙のように、内側に傍聴し続ける人生をせめて無駄遣いしなくてもと思う。
上記のCMを見た当時は、たしかにX−BOXが買いたくなった(買わなかったけど)。

今度の新作CMはよく出来ているけど、残念ながら360を買いたいまでは思わない。
それにしても、ドリームキャストといい、人気がぱっとしないハードほどCMが秀逸というのは、いつの時代も同じか。余裕がないのか。PS3もWiiもCMを見てもそのハードの魅力がまったく伝わってこないという意味では、逆に人気が出るのかも知れない。

打ち合わせの後、繁華街で趣味の献血。
400mlをごっそり抜き取られる。心なしか体が軽く感じられる。このまま空も飛べるかも、とは言い過ぎだけど、0.4kg減ったのだから当然。血液ダイエットは「あしたのジョー2」でもやっていたし(減量に失敗したジョーが最後の手段として血液を抜いたんだよね)。ジョーはあの後、よく金竜飛と闘えたものだ。
献血後、この10月から献血のデータカードが提供されるとかでいただく。いろいろ手続きが簡単になり、特典が付くらしい。
写真は、献血中の自分の鮮血を撮影しようと思ったら、「携帯は機器に誤作動を起こす」と脅しの貼り紙が貼られていたので断念(当たり前だ)。機械が誤作動して、4000ml抜かれたら怖いので、記念にもらったカードを後から撮影する(一見昔ながらの献血カードだが、磁気カードで裏側にも個人データが記載されている)。

献血で思い出したが、たしか「天才たけしの元気が出るTV」で、「たこ八郎に東大生の血を輸血すると、IQが上がるのか?」というような企画があったなあ。特殊メイクでない生血が苦手な自分は最後まで見なかったけど(←だったら献血するなよと)、今思えば凄い企画だった。さいすがテリーさんというか、がなりさんか。

一反木綿のような心許ない気分で帰宅途中、やはり血が足りないと思ったのか、帰りに肉屋で豚肉を買う。いつものように商店街のポイントカードを差し出すと、突然ファンファーレが鳴り響く。なんだなんだと思っていると、なんだかポイントが満杯になったそうで、特典として500円の商品券をいただく。
そういえば、献血カードによると、次回の献血で○記念とかで特典がもらえるそうだ。

夕食ではビールを飲んだものの、目の前のロング缶を見ると、これとほぼ同じ量の血液が体内からなくなったかと思い、しみじみ感心する。心臓がやけにばくばくしているのは年のせい?

そうそう脳への血の巡りが悪いせいか、忘れていたけど、明日は朝から新作映画のロケハンです。


12/5
仕事のテンションが中々上がらない間にも、着々と新作の準備は進められる。
先週まで悩んでいた様々な障壁が、思いの外次々とクリアされ、(低予算は百も承知で)自分のイメージに近い形で成立しつつあることはとても喜ばしい。監督の力なんて微々たる物で、本当に周囲の優れた力によって映画は作られる物だと実感する。
気がつけばクランクインまであと一ヶ月半。そろそろ尻に火がついてきた。

我が家の実相寺監督追悼は、ポンコツ・プロジェクターで「ウルトラマン前夜祭」「狙われた街」「京都買います」「あさき夢みし」「宵闇迫れば」「波の盆」をはしごして一区切り。
「ウルトラマン前夜祭」の冒頭における、「サスペリア2」みたいな円谷英二先生の出し方は何度も見ても好き。
「狙」「京買」はたぶん三百回以上は見ている。人生に迷ったらこの二本だ。
「あさき」は高校時代は寝てしまったが、今はあのリズムが心地いい。
「宵闇」は高一の時、初めてカメラワークを模倣した実相寺作品。
「波の盆」は見ると、あの長回し(笠智衆!)を実践したくなる危険な作品なので、締めに「ウルトラQザムービー」のメイキングビデオを鑑賞。巨匠をして、「一ヶ月の準備でまともな映画なんて撮れっこないよ」と言わしめた貴重な現場を覗き、身を引き締める(あんまり追悼になってないなあ…すいません)。

今日から再び仕事漬け。映画の準備をしつつ、ケータイ小説「渋谷怪談」第六話「デパートの住民」を執筆。映画で頭がいっぱいのこの時期に、あえて映像化できそうにない題材で小説を書くのは、果たして脳にいいのか悪いのか。

あ、そうそう、今日発売の雑誌「セブンティーン」にて、上原奈美さんが「子守り首」を紹介してくれているそうです。ありがとう!
まだ心は17歳の皆様、ぜひお買い上げください。


12/1
私の最も敬愛する監督の一人、実相寺昭雄氏がお亡くなりになりました。69歳という若さでの逝去は残念でなりません。幼い頃から強い影響を受け、プロになった今も教科書であり、永遠に越えられない目標でした。書きたいことは山ほどありますが、今は控えさせていただきます。故人のご冥福をお祈りいたします。





11/26
大事なことがどんどん決まる反面、最も重要な約束事がなかなか決まらず、煮え切らない状況のまま、進めるべき事は集中して進めなきゃいけない日々です。要するに、慌ただしいし落ち着かない。
 待つ間がもどかしくもあり、それでいて心臓の微妙な緊張感が心地よくもあったりします。
 こういう時は近所の献血センターにでも行って、血の一リットルぐらいも抜いてもらえば気分一新リフレッシュになるのでしょうけど、なんだかそのまま心臓が止まりそうな疲弊具合なので、やめときます。献血は好きなんですけどね、いや自分のために。

 そういえば去年の今頃は映画の編集で死んでいましたね。
 この時も劇場公開日が決まっていたので、それに合わせて死にもの狂いでパソコンとにらめっこしていました。
 あの時、体験した奇妙な出来事といえば…。
 ある明け方、はっと気がつくと、目の前の光景が「すべて静止」していたことがありました。
 テレビのニュースの画面も、時計の針も、すべて止まってまったく動かない。空気も異様に張りつめて、気がつけば体も動かない。指はハーボードに向いたままぴくりともしない。
 「おっ、俺もついに加速装置を身につけたか」
 と喜んだのもつかの間、五秒ほどで目の前の全てが一斉に動き出しましたその数秒が偉く長く感じました。あれはいったい何だったのだろうと。
 人間、死の直前に目の前の光景がスローモーションに見えることがあるというのは科学的、医学的に解明されているわけですが(通常の映画は一秒間に24コマ、ビデオは30コマに対して、スローモーションは一秒間に60コマと、つまり高精細なわけで、死線の超越した状態の中で、人間の眠れる脳の力、つまり視覚認識プログラムが通常の倍以上の処理能力を発揮したためスローに見えた)、この生身の加速装置状態も、一種のナイトヘッドだったのかも知れません。いや、単に心臓と脳が止まっていただけかもね。異様に息苦しかったし。

◆ ◆ ◆

 一日中缶詰仕事の翌日は、新作の打ち合わせで都心をぐるぐる。
 渋谷の高級住宅街のど真ん中にある、某分野の世界的権威の研究所で新作の監修打ち合わせ。
 スピルバーグもCIAもKGBもビルゲイツも一目置く所長様とイグノーベル賞などの話題で歓談、もとい取材。どれだけ聞いても聞き飽きない。

 その後、これまた渋谷と恵比寿の間にある、某大学タワーで、某分野の偉い先生と新作の監修打ち合わせ。その後、打ち合わせが二つほど。

 移動の合間、渋谷のラーメン屋「唐そば」で遅めの昼食。
九州ラーメンの老舗の東京一号店だが、しばらく行かない間に新メニューに「つけめん」が加わっていた。「特盛り4.5玉で750円!」と池袋大勝軒のような売り方をしていたが、結局いつもの中華そば。景気悪いのか?

 午後の打ち合わせの一つがキャンセルとなり、ぽっかり空いた二時間で、仕事柄見ておかなきゃいけない「テキサス・チェーンソー・ビギニング」鑑賞。
 歌舞伎町の劇場は、レザーフェイスのマスクが似合いそうな、いろんな意味でやばそうな中年ばかり(あ、俺もか)。場内には子供の頃、「原子力潜水艦浮上せず」やら「アウトロー・ブルース」やら「Mr.ビリオン」なんかを観に行った場末の映画館のすえた臭いが漂っていた。浅田次郎先生なら泣けるファンタジーにしてくれそうだが、こっちはあまり生きた心地がしない。
 で肝心の内容は、プロローグとタイトルバックで実質的な「ビギニング」をやり終えてしまう暴力的な、もとい画期的な構成。
 それはいいんだけど、後がいつもの「いけにえ」な展開の焼き直しに個人的にはがっくり。個人的というのは、これを評価する層もいるということ。
 「スネーク・フライト」は、脚本家上がりの私としては、どうしても納得できない箇所が山ほどあったけど、こっちは作り手の狙いが明確で、そこに照準を合わせて徹底して作り込んでいるから、後は好みの問題か。
 でもなあ、初代「悪魔のいけにえ」の偉大なところって、(さんざん言い尽くされている通り)スプラッタといいつつ全然スプラッタじゃなくて、直接描写を避けて観客の衝撃を高めるための技巧を最大限駆使している点にあって、これまでの続編やリメイクもそこは結構リスペクトされてきたと思うのだけれど、今回はやることがなくなったのか、えらいド直球で、直接描写が全編これでもかと出てくる。それはそれで気合いが入っているが、個人的にはただの不愉快な映像に過ぎない(そういうエンタテインメントは「ホステル」なんかに任せて)。衝撃と連動するユーモアもなんだか不発(というか変なリズム)で、そこら辺りが自分が入り込めない最たる理由なんだろうと実感。
やってはいけないタブーを破ったという意味では、歓迎する人も世界レベルでそれなりにいるんだろうと思いつつ、ここまでやっちゃったら、このシリーズも打ち止めという気がしてならない。

夕方、荻窪であるクリエーターさんと会う。
三年ほど前、「最後の晩餐」の撮影と前後して、ひょんなことから知り合いになった人で、当時からアメリカと日本を又に活躍している。
 それで今回、自身で監督するという映画の企画の相談に乗る。
 私の回りには、日本を飛び出し、海外に活路を見出す人が意外に多い。
 例えば拙作「レイズライン」でホームレスを演じてもらった西冬彦氏は、撮影時はギャガの社員で、「少林サッカー」の大ヒットなどで名を馳せた名物買い付け人で、チャウ・シンチーなど海外の映画人との交流も熱い人物だが、本来はアクションスター志望で、一年ほど前に退社し、ハリウッドの俳優組合にちゃんと加盟してから、活動の拠点を海外に移している。他にもいるが、私はそういう人を応援したくなる。

 で、今回の彼も、ハリウッドにもそれなりの自分の居場所があるらしいのに、あえて日本でチャレンジしたいと息巻く。しかも、日本の興行では最も敷居の高いドキュメンタリーで成功を企んでいるチャレンジャーだ。
 「スーパーサイズ・ミー」や「華氏911」などの成功でアメリカではドキュメンタリーの市場は活性化しつつあるが、日本ではまだまだ萌芽すら感じられない。逆に言えば当たればそのジャンルの先駆者になれるわけだ(過去にはもちろん「ゆきゆきて神軍」など秀作、話題作はあったが、市場を形成するに至っていないわけで)。

 彼によると、日本の映画関係者でドキュメンタリーのファン(理解のある人)は少数派で、それゆえに賛同者として自分に声を掛けたという。たしかに私は(仕事で見なきゃいけない番組を除けば)地上波テレビで見る番組は、大半がドキュメンタリーだし、「レイズライン」なんかにもドキュメンタリーの影響は濃厚だったりする。
 だけど自分以外にもドキュメンタリーファンは多いと思うけどね。ただ、儲からないから口に出さないだけでしょう。
 まあドキュメンタリーといっても、本当に面白い物となると、ドラマ以上にリスキーな物になることは覚悟しなけりゃいけない。国内外で成功したドキュメンタリーは皆そうだった。
こちらが二の足を踏むような企画でなければ、先駆者はおろか制作費を回収することも出来ないだろう。まあ同時にこの保守的な日本で出資者を集めるのも果てしなく困難を極めるわけだが。
 疑似ドキュメンタリー感覚の「レイズライン」ですら、そこには茨の道が待ち受けていたが、得ることも多かったのも又事実。
 まだ、いただいた企画書は完全に目を通していないけど、ある意味でこちらがぎょっと目を丸くするような企画であってほしいと密かに願っている。

◆ ◆ ◆

 翌日、献血に行く暇もないので、リフレッシュに三ヶ月ぶりに髪を切る。
 長髪の方がゲージツ家っぽく見えるらしいが、あまり鬱陶しいので、ばっさり短くする。
 
 床屋の帰り、同じフロアの大型書店の新刊コーナーで、赤川次郎先生の処女長編「マリオネットの罠」が文庫の新刊(新装版)として再販され、並んでいるので購入。
 赤川先生の処女長編は、刊行順なら「死者の学園祭」らしいけど、執筆としてはこちらが先で、先生本人もファンも出版社も「マリオネットの罠」が処女長編で認知されているらしいと後書きに書いてあった。
 20年以上昔、小説をほとんど読まない全国の中学生と同様、当時、赤川作品をミステリーの入門書として読んだ者にとって、「マリオネットの罠」は強烈なインパクトがあった(当時、コアな評論雑誌で、唯一絶賛された赤川作品ということで興味を抱き、文庫を買ったのだ)。
 とにかく後の赤川作品に見られるような簡潔さやユーモアが一切なく、ひたすら濃厚な描写とキャラクター、どんでん返しの連続の展開に圧倒されたものだ。
 これを赤川ミステリーの最高傑作と誉めるファンもいれば、(赤川作品にしては)非情な描写が目白押しで先生っぽくないと評する向きもいるらしいけど、いずれにせよ、知名度は低いがクオリティの面では群を抜いており、圧倒的な面白さには違わないはずだ。紛れもなく思い出の一冊である。
 で、この作品を読んだ当時中学生の私が「ミステリーに目覚めた」とか、「作家を志した」のではなく、まず思ったのは「これを映画化したい!」ってこと(爆)。
 小説というより、極めて映画的な仕掛けが満載なところに惹かれたわけだ(たぶんそんな奴はけっこういただろう)。
 で、右も左も判らないまま、これを勝手に脚色したわけだけど、「湘南人肉医」が「最後の晩餐」に変わったように、キャラクターが脳内で一人歩きして、どんどん派手な展開に変わってしまい(全然進歩してないなあ)、クライマックスはほとんど別物。
「原作脚色OKのシナリオ・コンテスト」に出したものの当然相手にされるわけもなかった(今考えれば、ここでいう「原作」とは限りなく著作権フリーの年代物を対象にしており、こんなメジャー作品の映画化権を厨房が考えること自体無謀なのだ)。
 とはいえ、この長編小説を脚色するため、何度も小説を研究して換骨奪胎し租借して、学んだ作劇技法は数知れず、これが今日に至る己の物語作りの基礎になっていることは間違いないのだから、赤川先生には感謝しなければならない。
 で、こうして思い出の「マリオネットの罠」と20数年ぶりに劇的な再会を果たした同じ棚に、恐れ多くも拙作「子守り首」が置かれているではないか!(そう、まだ並んでいるのですよ)。
 自分は基本的に映像の人間なので、こんな機会はめったにないと思い、思わず記念撮影。
 端から見れば何のこっちゃの写真ですが、私的には感無量の一枚なわけです(よく見ると「マリオネットの罠」と一段おいて「子守り首」があります)。
 思わぬ再会も果たし、気分も一新して、さあ仕事仕事という感じです。


11/18
なかなか仕事が途切れず、デスクワークと打ち合わせの日々です。

新作映画の前半、脚本のある重要な役柄を某有名女優さんがやっていただく可能性が出て、そのイメージに合わせて脚本をリライトする。こういう前向きなリライトはいくらでもしたい。
また、作品中、キャスティングが最も困難を極めると予測された、これまた重要な役柄も、こちらのイメージ通りとなりそうで胸をなで下ろす。というか自分としてはこっそり彼女で当て書きしていたから、なんとか実現したかった。製作サイドもこちらの考えは理解していたが、とはいえあまりにリスキーな役ため、事務所に相談できずにいたのだ。意を決して所属事務所にこちらの意図を伝え、最終的には先方も快諾。脚本はいつも俳優をイメージしてリライトすることが多いので、今後も脚本を煮詰めていく必要がある。

打ち合わせの帰り、今日が最終日という「スネーク・フライト」を鑑賞。
うーむ、こういう作品は過度の期待は禁物なんだけど、うっかり油断してしまった。というかゴールデン街辺りでホッピーの一つも飲んでから見るべきだったと反省。
自分のことを棚に上げてと言われるかもしれないけど、素面だと、この手のジャンルムービーならではの粗ばっかり気になって楽しめようにも楽しめない。
まあ、オープニングのハワイの俯瞰ショットからイヤな予感はしていた。本編にあまり関係ない、緩慢なオープニング(しかも空撮)って、70年代の屑映画では散々見てきたからなあ。
撮るべき人が撮ったら、ファーストカットは、やっぱりさ、「ジャングルの蛇のアップ」か「(後半に関わる)ロスの蛇遣い」からスタートするのが基本でしょ。あえて、そうしないのが逆に新鮮かも知れないけど、それならそれでもう一ヒネりしてほしい。
 監督は「デッドコースター」やら「セルラー」の監督だから、その辺りはわかっているはずだけど、やはり現場が違うと、力が発揮できないのか。
 それにしても荒っぽい脚本だ。いや、ここ30年ぐらいのパニック映画やモンスター映画のエッセンスを全編にこれでもかと散りばめているのはいいんだけど、それで物語が一向に盛り上がらないのは、一つ一つの要素が(登場人物の行動論理も含めて)、有機的に結びついておらず、まったく掘り下げられていないからに他ならない。
 新人が書いた、恐らく「機内に解き放たれた蛇で人々がパニックになる」という1アイデアだけで採用された脚本を、これまた評判の余りよろしくない「ゴシカ」の脚本家がリライト。たぶんプロデューサー辺りに、「やっぱヒロインの客室乗務員は一人より二人がいいじゃん」とか何とか言われたりして、あれやこれやと加筆して、収拾がつかなくなったような感じだ。
 だから、金髪のセクシー担当と、黒髪の堅物という正反対の客室乗務員がいるのに、この設定が全く生かされないまま、後半どうでもよくなってしまう尻すぼみ。他に、人気歌手やペット好きのOL、好色なパイロット、老婆の客室乗務員とキャラは揃っているのに、それぞれとりあえず一回か二回見せ場があるだけで、あとは忘れ去られる展開。本当は主役であるはずの、物語的には重要な証人青年すら置いてきぼりではどうにもならない。
 序盤であんだけ描写した悪役は何処へ行った?台詞処理で終わりかい?
 「ハワイからロスへ移動する機内に大量の毒蛇を放ち、事件の証人を乗客ごと抹殺する」という、「地球で最も強い生物はゴジラだから、それに似せたロボット怪獣を作れば地球を征服できる」と考えたブラックホール第三惑星人並みの、犯罪者の荒唐無稽な計画は悪くない。でもこの馬鹿馬鹿しいアイデアを最大限生かすために、映画としてやるべきことは、何より、下支えするディテールを可能な限りリアルに掘り下げることだろう。すべてを荒唐無稽にしてどうするよ。
 肝心の蛇は蛇で、アメリカ映画だからグロさ気色悪さはこんなものとしても、都合のいい時に都合のいい場所にほいほい現れるから緊張感はゼロ(都合のいい場所噛んでくれるしね)。
 終盤に唐突に出てくる大蛇以上に、サミュエル・ジャクソン扮する刑事のキャラクター造形がどうにもこうにも中途半端で、どう感情移入していいのか理解に苦しむ。
 そもそも彼って、「見た目は怖そうだけど、中味は意外と繊細」という役のイメージが個人的には強いし、現実にそんなか細い声をしているから、やはりCMの玄太哲章の声で見ないと全く乗れない。
 クライマックスも、作り手がなんか照れているような弱々しさで、もっと真面目に馬鹿馬鹿しくやってくれよって怒りたくもなる。「フライング・ハイ」辺りの方がよっぽど真剣に馬鹿をやっていたと思うが。
 しかし、まあこうやって気がつけばツッコミを入れているから、作り手の思うツボなんだろうし、今年は言葉にも出したくもないような作品をすでに何本か見ているので、それに比べれば、まだマシなんだろう。そう自分に言い聞かせつつ、腑に落ちないまま帰宅。あ、書き忘れたけど、エンディングは最高でした。あれだけは文句なし。このノリで全編やってほしいかった…。

 で自宅で再び仕事。ケータイ小説「渋谷怪談」の新作を執筆する。今回は「通信販売」がテーマ。グロくはなく、じわじわと心理的恐怖で盛り上げるつもり。
 翌朝、小説の前半まで書いて再び都心で打ち合わせ。別の会社から新たな企画を持ちかけられる。とりあえず目の前の仕事に集中することにして、新作の会議に移動。マイミクのLさんからライブに誘われていたが、案の定、会議が大幅に伸びて間に合わない。さらに終わり間際から体調ががくんと悪化。流行の胃からくる風邪にかかる。
 ふらふらになりながら帰宅し、再びケータイ小説執筆。くらくらしながら仕事をしていると、どこからともなく玄太哲章の勇ましい声が。俺、なんだかんだ言いつつも、あの腰砕け蛇映画が好きなんじゃんと思いつつ、テレビを見ると、ケーブルテレビでは「トランス・フォーマー」が始まっていた。………。あんな落書きのような作画でも見る者を無性に暑くさせるあの声はやっぱり偉大だ。やはり吹き替えでもう一度見てみたいかも。
 意識が朦朧としながら仕事を続けると、コンボイ司令官と化したサミュエル・ジャクソンのあるべき勇姿が現れ、CMだけで本編では一度もかからなかった「ワルキューレの騎行」が、頭の中をぐるぐると駆けめぐるのだった。


11/10
ご無沙汰しております。
「子守り首」、こちらのサイトでプレゼント中です。ぜひぜひご応募を。↓
http://www.fjmovie.com/main/news/2006/present11_komori.html

新作映画の脚本はほぼまとまり、その他の準備に取りかかる。脚本は概ね好評。これをどう映像化するかに焦点が変わる。
打ち合わせの最中、公開までの詳細な予定スケジュールを教えてもらったが、これがもうぎっちり組まれていて、余裕無し。まあ、映画はクランクインするまで予断を許さないし、何が起きてもおかしくない状況を楽しむぐらいじゃないといけないので、気持ちを大きくして本番に備える。
…と書くとかっこいいが、現実は、その間にも原作小説やら、○○ラ○○○○のことやら、○典のことなども同時に考えなくてはいけないし、さらにクランクインまでに、滞っている次々回作の脚本も完成させなきゃ行けない。ひーっ。

昨日は、打ち合わせの移動中に、ケータイ版「渋谷怪談」の次回短編のアイデアを練り、メールで二つのプロット案を担当に提出。
自信があるのはA案。だが、目を通した担当は「A案だと、またグロくなりそうだから、B案で書いてください」と。
また、とは何?
なんか、いつもグロばっかりを書いているようじゃないか。
…あ、そうね。いやいや、自分じゃグロいのを書いているつもりは全然ないし。あの程度では世間のグロ・ファンは納得しないでしょう。せめてソフト・グロと呼んでください(なんだそりゃ)。

話は数日前にさかのぼるが、ブックオフで「オバケのQ太郎」のコミックを見かけたので一冊購入。
けっこうな値段がしていたが、なんでも「オバQ」のコミックはF先生の遺族の意向で(←諸説有り)、長く絶版になってしまっているらしい。古書で全巻揃えると、十万円近くするそうな。
まあ、今見ると「ラーメン大好き小池さんが、黄色い救急車を呼んで、うるさいQちゃんを連れ去ってもらう」とか、若い人にはギャグ以前にもはや都市伝説にもならないネタが満載なので、「SFとは少し不思議」なF先生のイメージを崩したくない気持ちもわかるんだけど、もう手軽に読めないとは、なんだか納得いかない。

で、このコミックの真ん中辺りの短編に、Qちゃんの妹P子が単独で活躍するエピソードがある。
居候中のお宅の三人家族が外出し、P子がお留守番。そんな時、頑固じじい風の親戚のオヤジがやってきたからさあ大変。P子は家族に成り代わり、一人ずつに変身してあたふたと応対するのだが、途中でオヤジが「一人ずつじゃなくて、全員で出てきなさい!」と言われて、仕方なくテーブルの前に家族三人全員の顔が現れる。妙に寄り添って。そう、それはP子の頭がお父さん、右腕がお母さんの頭、左腕が娘さんの頭で、テーブルから見えない首から下はP子のままという変身技でピンチを乗り切ったのだ。そしてP子は一言。

「こういうグロいバケ方はしゅみじゃないけど」

そう、F先生もグロは趣味じゃないけど書いておられたのだ(封印されちゃったけど)。
まあ、絵柄はいつものほのぼのタッチだけど、リアルに考えれば、けっこう怖いイメージだ。

これを見ると、グロの概念は単なるスプラッタと違うことがわかってもらえるような。
なんか最近は、ちょっと過激だったり、血まみれだったり、品がなかったするだけで、すぐグログログロとうるさいが、ちょっと使い方間違っているような気がします。

違うと言えばグロと並んで使われることもあるエロの使い方も最近はさらに暴走気味。
エロなんとかとかオサレ用語になって、調子に乗ったバラエティ番組が子供のダンスコンテストのタイトルに「エロカワ」とか付けたらしい。
ホラーへの規制が厳しくなる反動も手伝って、アダルト系(児童ポルノ除く)に社会が寛容になったとはいえ、小学生にエロ(笑)の冠はないでしょ。親も笑顔で応援している場合じゃないし。
まあ、グロかわといえばサッちゃんだけどね(おい)。

というわけで、ケータイ小説「渋谷怪談」の今度の短編は、世間で言うところのエロでもグロでもゲロでもない話に落ち着きそう。
“怪談”なんだから当然といえば当然。品行方正な渋谷怪談サイトにふさわしい話にします。
というか、こちとらドコモなので、いまだにこのサイトを生で携帯から見たことがない。いい加減auに変えるしかないか…。

最後に、昨日やっと「スネーク・フライト」の前売り券を手に入れたものの、気がつけば本日金曜までと知り唖然とする。


11/3
新作映画、脚本の方向性が固まる。まだまだ細部の手直しは発生するものの、構成はこれでようやく確定。大きな前進、いよいよ本格始動である。クランクインの時期など、あまり書けないことが多いけど、近いうちに正式発表できると思います。

しかし、自分で言うのも何だけど、まー濃い脚本だこと。たぶんきっと面白いと思うけど、撮るのは大変。脚本家の中には、「おまえ、ちゃんと撮れるのかいな」と、演出家に喧嘩売る(泣かせる)ような見せ場を書くベテランもいるけど、こちとら(文字通りの)自作自演。自分で自分の首を締めてどうするよってな内容。いや、お客が楽しめればそれが一番。異形のエンタテインメントであることは間違いないです。あとは、この脚本を、自分の作品史上、最長の準備期間と最大級の予算(いや低予算であることに変わらないけど)でどう具体化するか、でしょう。悩みは尽きないですね。

二日徹夜でシナリオの直しをやって、明け方ヘロヘロになっていた時、たまたまスカパー!の時代劇専門チャンネルで、私が80年代の実写邦画で最も愛してやまない「座頭市」が放送されていたので、つい最後まで見てしまう。
真の天才という言葉とは勝新太郎のためにあるのじゃないかと思えるほど、素晴らしいショットのオンパレードに目眩を覚える(いや寝てないだけだって)。
映画の完成度だけなら、そりゃ過去のシリーズの方がいいんだろうけど、この鬼気迫る、一瞬たりとも気の抜けない演出の冴えは何だろうか。何気ないカットにうならされ、泣かされ、驚かされる。
思いつくまま書いたようなシュールな脚本も、それでいて知らぬ間にエンタテインメントの王道に集約されていく離れ業。
そしてクライマックスの空前絶後の殺陣(「あずみ」と同じセットですね)。
さらに、なんといっても、ただ飯を食べるシーンにおいての尋常ならざるこだわり。おかしいよね。思えばこの映画、物を食っているか、人を殺しているかの繰り返しで物語が成立している。自分の「最後の晩餐」もいろんな意味で影響を受けているなあと実感。50年ぐらいかければ追いつけるかな。
北野監督の「座頭市」も悪くないけど、あれはやっぱりパロディだし、あれを評価する欧州人は早くカツシンの才能に気づくべきだろう。カサベテスが「グロリア」でカツシン演出をいち早くパクったようにね。

翌朝、「座頭市」に興奮して眠れないまま、ケータイ小説「渋谷怪談」の新作短編「貸出し中」を書き終える。なかなか怖くなりました。
で、気分転換に、「さんまの押し寿司」を作る。タダ同然で買ってきた生秋刀魚を酢で締めて、押し寿司用の型どり器で押し寿司にする。簡単。初めて食べたが、半端じゃなく旨い!しかし、こんな代物が名物駅弁になると、一本で1000円もしてしまうのだから、納得がいかない。自宅で作れば一本百円で済むのにね。

新作のクランクインの時期が見えてきて、その合間に次々回作のシナリオに着手。こっちも海外の会社に見せるためにも、とにかく早く仕上げたい。

さて、晩飯を食べていると、「スネーク・フライト」の新CMに出くわす。サミュエル・ジャクソンの声を、玄太哲章が吹き替えていて、ドズル将軍やコンボイ司令官のように世界一頼れる兄貴と化していた。爆笑、というか、これはますます見たくなるではないか。というかやっぱり吹き替え版じゃないか、この作品は。しかし劇場では吹き替えで公開していないんじゃ?やっぱDVDで吹き替え版を楽しむしかないのか。

CMといえば、以前、友人に薦められたマイナーCMが今年のACCに入選していた。しかも今朝の「特ダネ!」でフルで放送されていた。
若い女性向けのフリーマガジン「セレクト・ビューティー」のCM。
関東地方で30~40回程度しか放送されなかった幻のCMだが、口コミで評判が広がったとか。
「働く若い女性をメインターゲットにした、ファッション、コスメ、エンタテインメント等、『素敵+美的+知的』を提案する、100万部のフリーマガジン」というコンセプトとは真逆の、葬式での女たちの泥仕合が素敵。
もう背後の棺が動き出して、死人が出てくるのが見え見えなのもいいし、女同士の醜い争いとか、妙にはずした演出は、なぜかふと牧口雄二を思い出してしまった。というか、この監督、たぶん歴史的傑作「女獄門帖 引き裂かれた尼僧」なんかを見ているだろう。
このCM、ニューヨークなど海外のCMコンテストでもいくつか受賞しているらしいけど、日本独特の死生観や風習が入ったこのCMが素直に受け入れられる土壌には、やっぱり「JUON」「RING」とかのJホラー・ブームの影響もあるんだろう。
カツシンもほとんど認知されていない欧米では、マキグチが名声を獲得するなんて夢の又夢なんだろうけど、自分が海外に行ったら、ぜひ「女獄門帖 引き裂かれた尼僧」の名前を広めたいと思う。しかし、それはそれで「死体袋の帰還兵」(「トゥルー・ロマンス」に出てきた、架空のB級映画)なんかと同じ扱いを受けそうだけど(笑)。

ちなみに「セレクト・ビューティー」のCMは以下で見られます。15秒バージョンはイマイチなので、ぜひ60秒の方を見てね。さっき確認したら、私のパソコンでは残念ながら60秒の方はうまく開けませんでした。もし動画が見れなくても、いずれYOUTUBE辺りで見られるんじゃないと思います。

http://www.credi-world.com/credi_hp/backnumbar/2006/060721_cm60.html#60



10/29
新作映画、脚本のリライトがやっと終わる。加筆する度にどんどん内容が濃くなっていくので、本当に映像化できるのか、ちょっと心配になってきています。まあ、楽しいからいいや。これからオーディションやらロケハンやら、いろいろ準備に追われそうです(まだ脚本の直しもあるだろうし)。

脚本作業で滞ってしまったケータイ小説「渋谷怪談」執筆再開。遅れた分もしっかり書いています。今度のタイトルは「貸出し中」。渋谷の大型ビデオレンタル店が舞台です。ざっくり怖くします。

「子守り首」、お陰様で某大型書店では文庫本部門で総合第三位だそうです。よかった、よかった。某有名書籍ランキングでも、幻冬舎文庫のミステリー(ホラー含む)作品では、話題の「嫌われ松子の一生」「親指探し」「リアル鬼ごっこ」に次いで売れているそうなので健闘でしょうか(まあミステリー&ホラーと他ジャンルの定義なんて曖昧ですけど)。
買ってくださった皆様ありがとうございます(こう書くと凄く売れてそうですが、あんまり売れていない本屋もあるらしいので、まだまだ予断を許しません)。

上原奈美さんも仕事と学業の合間に読んでもらい、先日やっと読み終えたそうです。とりあえず気に入ってくれたそうなので、後日感想はアップさせてもらいます。
他、メッセで感想をいただいた皆様、ありがとうございます。次作の参考にさせていただきます。
それにしても今回は感想のポイントが本当にバラバラで面白いです。自分でも気づかなかった視点や指摘もあり、勉強になります。

先日の日記でサッポロ一番のことを書いたせいか、札幌ドームで日本ハムの胴上げが起こってしまいました(あ、サッポロ一番は群馬のラーメンだから関係ないか)。
嗚呼。F1も終わって唯一の楽しみがドラゴンズの日本シリーズだったのに。
敵対心むき出しの阪神や、常勝イメージのホークスや西武と違い、なんかお祭りムードで終始やりづらい雰囲気でしたね、オレ竜。
まあ、これでとっとと仕事に専念しろということでしょうか。頑張ります。


10/23
新作の準備でドタバタして、ご無沙汰しております。
脚本は終わりが見えてきました。定番の「第一部」は三日で書いてほぼ一発OKをもらい、ならばと大胆な試みをした「第二部」は二転三転してしまい、他の仕事と平行しながら結局一ヶ月近くかかりそうです。
ドツボにはまる前に、思い切って設定を大幅に変えたのが、功を奏した…かな。
ともあれ脚本としてはラストスパートです。

週末は別の新作のロケハンもかねて少し遠出。トンボ返りでしたが、結果的にこれがリフレッシュ?どうせなら温泉にも入りたかった…。

いろいろ試写や劇場にも行かなきゃいけないのですが、優先順位で後回し。「ミイラ展」「スーパー・エッシャー展」「幻の動物剥製展」にもぜひ足を運びたい物です。

そういえば、新作のプロデューサーの新作「幸福のスイッチ」(上野樹里さん沢田研二さん主演)が公開中で、見ておこうと思っていてもなかなか時間が作れず。いい映画と評判らしいので、よかったら見てくださいませ。
ちなみにホラーでもサスペンスでもありません(当たり前か)。石坂ちなみちゃんをはじめ、「リアル都市伝説」でもお世話になった人が沢山出ています。
お世話になったと言えば、(これは後から知ったのだが)、この「幸福のスイッチ」の照明監督、平良さんは実は拙作「最後の晩餐」も手がけられていた人。同じく私の「自殺マニュアル」が映画デビュー作で、「晩餐」では主演の加藤雅也さんや海外の映画祭関係者もうならせたライティングを見せた才人です。もともとCMの人ですが、狭い業界です。今回は人間ドラマでどんな照明テクを見せているのか興味があります。

話は変わりますが、藤岡琢也さんが亡くなられたそうですね。仕事ではご縁はありませんでしたが、憧れの俳優の一人でした。私の世代だと、ドラマ以外では、「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」の無邪鬼でしょうか。当時はサッポロ一番味噌ラーメンの人とかドラマの俳優のイメージが強い中で、押井監督はよくも大胆なキャスティングをした物だと感心していました(これがまた絶妙な存在感でしかも巧い)。
でも今日の追悼特集を見ると、もともと俳優の前は声優で活躍し、初代ドナルド・ダックなどを手がけられていたそうですね。いやあ、勉強不足で知りませんでした。押井監督の世代なら常識かも知れませんが、80年代当時からしてアイドル声優全盛の時代にあえてああした意欲的なキャスティングは見習いたい物です。
それにしても渡る世間のイメージが定着した昨今もサッポロ一番のCMを続けられていたのはやはり凄いことでしょう。
藤岡氏のご冥福をお祈りいたします。







10/15
ブタクサのせいでしょうか、鼻がずるずるなっていますが、あとはいたって快調です。まあ少し寝不足…。
あと、前回の日記で訂正が。台場小香港サイコスタジオの最終日は13日の金曜日ではなく、本日15日(日)までだそうです。失礼しました。まだやっています。今日お台場方面に行かれる方はぜひお立ち寄りください。

「子守り首」、ぼちぼち感想をいただいております。自分では余り感じていないのですが、「渋谷怪談」シリーズよりも描写の書き込みがしっかりしているという意見が多いです(まあ、単に書くのに時間がかかっているだけの差かも知れませんが)。
あと、小説マニアの方もいっぱしの小説として批評をいただけるのがうれしいですね。逆に「渋谷怪談」シリーズを楽しんでいた人にはちょっと今までよりボリュームがあるので、読了に時間がかかるようです。「ホラーTV」の収録の時はプロローグだけを読んでくれた人気アーティストの上原奈美さんも、小説の続きを多忙な仕事の合間に読んでくれているそうです。
私も読書は時間がかかる方なので、秋の夜長に気楽に読んでいただければと思います。

◆ ◆ ◆

新作映画のシナリオ書きが続く。打ち合わせを経て、今は設定を一部変えて、後半部分をリライト中。これで諸々の懸案事項がかなり解消される。へたに改稿を重ねるより、こうした思い切ったアレンジの方がうまくいくこともある。「押してダメなら引いてみな」は意外に自分の口癖だったりする。

その日の午後は、新作映画の重要な要素のアイデアのため、都心にある某研究所へ。いわゆる「ホラーを科学する」上で、必要なレクチャーを、さる有名な科学者先生から受ける。いろいろ厳しい予算の中で、この映画の意欲的な試みを温かく見守ってくださるのはとても有り難い。アイデアだけなら、数多の大作に負けないようにしたい。

◆ ◆ ◆

さて、映画シナリオに追われて、後回し気味になってしまったケータイ小説「渋谷怪談」の「隙間男ふたたび」をやっと書き終える。
映画版もそうだったけど、隙間男というキャラは不思議とギャグっぽくなってしまう。今回初めて隙間男が倒されるのだが、その死に方はかなりグロいけど笑える。故にぜひ映像化してみたいと思った。CGじゃなくて、もちろん特殊効果でね。

◆ ◆ ◆

 週末、打ち合わせの時間が変更になり、二時間ほど時間が空いたので立川の映画館へ。
ヤフーなどでえらく評判のアニメ「時をかける少女」を鑑賞する。都心の劇場では連日、客が入りきれないほどのえらい騒ぎだったが、もともと単館公開だけに、一日の動員数は限られているため、実際の動員はそれほどでもないはず。とはいえ上映最終週だったので緊張したが、結局ガラガラだった。

で、作品の感想。月並みだけど、たぶん中学、高校で見たら、かけがえのない作品になったかも。今となっては普通に出来のいい作品という印象だった。出来がいいというより、力作か。細部にわたって、いい作品を作ろうという気迫とこだわりが感じられる。

これはうがった見方かもしれないが、この監督はたしか某ハウルの当初の監督として制作を進めていたが、諸般の事情で降板した(させられた?)はずなので、その辺りの意趣返しの意味合いもあるのだろう(例えばデビッド・フィンチャーは「エイリアン3」でまったく現場をコントロールできないまま、作品も酷評され、数年間ほされた思いを「セブン」にぶつけたといわれるし、クリエーターや作家と呼ばれる人種はそういうタイミングがあったりする)。
もちろん私は勉強不足で、彼の評判を呼んだというデジモンやおジャ魔女ドレミ(←一発変換できた。すごいなATOK)のエピソードも知らないから、あくまで推測だけど。

ただ、先にも書いたとおり「中学、高校時代に見たら」という思いが募る。これはどうしようもないことだけど、いやでも大林宣彦監督版が脳裏をよぎってしまう。私の世代では仕方ないことだし、それはこの監督自身が一番自覚していることだ。この監督は私と同じ年。生まれも一ヶ月しか違わない。

「時かけ」は筒井氏の原作はもちろん、テレビシリーズやスペシャルなどが存在し、世代ごとに思い入れが違ったりするが、我々の世代と言えば、大林版。高校時代、リアルタイムで角川映画「時をかける少女」に出会い、同じ年のヒロイン芳山和子=原田知世(本人も同じ年)の魅力に打ちのめされた輩なわけだ(現にこの監督による「おジャ魔女ドレミ」に原田知世さんが声優でゲスト出演しているという)。
今回の再映画化(本当は再々映画化だけど)は、監督自身の希望だったそうだ。
つまり自分の最も思い入れのあるであろう作品をリメイクする。これほど危険なことはない(思い入れが強すぎて破綻しやすいが、オリジナルを意識しすぎて小粒に終わってしまう)。あえてハウル騒動の後に手がける題材に選んだということは、相当な覚悟なのだろう。
もちろん影響を受けた後発世代である限り、オリジナルを真正面から正攻法にリメイクしても、絶大な影響を受けたオリジナルを越えることは不可能だろう。
そこで選んだ形が「現在の新たな高校生ヒロインを創出し、大林版の芳山和子を影のヒロインとして新ヒロインを見守る」というものだった。
大林版のヒロイン、芳山和子がリアルタイムで存在し、私と同じ(恐らく)39歳でこの映画の舞台である2006年の東京に存在する(貞本義行氏のキャラデザインも大林版に準じているし、さすがに声優は原田さんではないが、似たイメージの原沙知絵さんである)。そして同様に「時をかける」運命となった新ヒロインを温かく見守り、時としてアドバイスをするのだ。これがこの映画の最大のオリジナリティであり、最大の売りでもある。

劇中、芳山和子は出演シーンこそ少ないが、その存在感は圧倒的だった(個人的には)。
高校生の新ヒロインもとても魅力的だったが、感情移入という点では芳山和子には敵うべくもない。
実際、彼女が昔を振り返り、高校時代の写真を見つめるショットがこの作品で最も泣けるシーンだった(文庫本の新装版はあえてこの芳山和子の高校時代からアレンジした表紙。えらいぞ)。これもまた映画のマジックだろう(「スター・ウォーズ」をリアルタイムで見てきた人間にとって、エピソード3のラストは、まさしく30年かけた「ニューシネマ・パラダイス」に他ならないわけで)。

大林版も決して完璧な映画ではなかった。この時代にリアルタイムで見ていなければ、ただの気恥ずかしいアイドル映画だし、役者は決してうまくないし、特撮も(確信犯とはいえ)稚拙だし、歌うエンディングが「ジョアンナ」へのオマージュといわれても大林監督と同世代以外にはわかんねえよ!と突っ込みの一つも入れたくなるが、そういうマイナス要素もすべて見えなくしてしまう、凄まじい映画のマジックに当時はかかってしまっていた(それは今も解けていない)。だからこそ、今回の「時かけ」は「中学、高校時代に見ていれば」という言葉が着いてしまう。

ヤフーなどで絶賛しているのは間違いなく、大林版を知らない世代が大半だろう。それでいいと思うし、中年と呼ばれる世代が変にこの作品を持ち上げる必要もないと思うのが正直な感想。
実際、「映画のマジック」にかからないと、このアニメ作品も「大林版を微細に意識しすぎ」とか「脚本の後半にまとまりがなくなり、やや混乱気味で失速する」とか「タイムリープの概念の矛盾」(良くも悪くもきまじめでありながら、肝心なところが抜け落ちている。大林監督は確信犯だけど嘘の付き方がやはりうまい)とか、どうでもいい部分の粗ばかりに目がいってしまう。
特に脚本に関しては、繰り返しのタイムリープの見せ場のために最初からイベント(出来事)が仕組まれている(伏線が張られている)のが見え見えで、ちょっと白けてしまうし、実際の高校を取材したリアルな日常と漫画的な見せ場のアンバランスが随所に目立ってしまった。
これは登場人物にも言えるところで、非常にリアルで地に足の着いた仕草や台詞、表情があるかと思えば、アニヲタが喜びそうな萌え〜な(つまり一般人は引いてしまう)描写があったりと、どっちの層も戸惑いを持つ瞬間があるのではないか。
アニメ畑の監督と、実写映画畑の脚本家のコンビも要因なのだろうし、ダブルヒロインというこの作品の特異な一面が、全体に影響を及ぼしているのかも知れない。
もちろんこの作品を絶賛している人たちの意見に異論はない。大林版を過剰に意識している作品とはいえ、両作品の優劣の公正な比較はかぎりなく不可能に近い。私は残念ながらマジックにかからなかっただけ。そうとしか言いようのない映画だった。

◆ ◆ ◆

さて、自宅で仕事をしていると、また宅配便が届いた。
なんだろうと開けてみると、親戚から安く分けていただいた「国産松茸」ではないか!箱を開けると、ご立派な松茸がどーんと五本!すごいすごい。
今、北朝鮮があれなので、さらに希少な国産松茸の値段も天井知らずで急騰しているそうな。まさに僅差のタイミング。こんな立派な松茸はもう二度と食べられないかも。
しかし先の当選ビールといい、ここにきて今年の運はすべて使い果たしたか。
やばいなあ。これから撮影があるって言うのに…。




10/12
「子守り首」、ぼちぼち売れ始めているそうです(まあ、ほとんど無宣伝&無名の作家の商品の割りには、という意味ですが・笑)。
平積みが撤去されないうちに、ご興味がある方はぜひお買い求めください。

 ◆ ◆ ◆

 で、新作映画のオーディションについて。
 先日、某大学のオープンキャンパス・イベントで公開オーディションが行われて、審査員もさせていただいたことは、先の日記でも書いたのですが、その延長線上らしい追加のオーディションが行われるそうです。
 文面では、知らない間に私に大層な肩書きがついていますが、気にしないでください(笑)。
 あとタイトルはあくまで仮題と思いますので、その話題はすいませんが控えめに。
 仮タイトルからも判るとおり、「子守り首」と微妙に連動しています。
 興味がある方、自信のある方はぜひご応募を。締め切りもまもなくです。
http://www.deview.co.jp/search/index.cgi?cmd=view&id=782&m=d&genres[]=21

 ◆ ◆ ◆

 残りわずか!といえば、東京・お台場の台場小香港にある4Dアトラクション用ミニシアター「サイコスタジオ」が移転のため、上映中の「4D渋谷怪談 コインロッカーのサッちゃん」もいよいよ13日(の金曜日)までとなりました。
 施設的にはなかなか凝っているので、作品ともども存続してほしいのですが、まあもう少し人通りのある場所でやってもいいかなあとは密かに思っています(爆)。 小香港自体は怪しい雰囲気とこなれた料理でけっこう好きなんですけどね。
 なお、梅田ジョイポリスと東京ドームシティの方はそのまま当分上映しています。秋晴れのデートに一度お越しください。

 ◆ ◆ ◆

 告知ばっかりですいませんがもう一つ。私の唯一の自主映画で、唯一のラブストーリーである長編第一作「レイズライン」がゲオ・チャンネルでも配信開始です。
http://vod.nextensive.jp/catalog/geo/index.php?plan=p&cat_id=719&PHPSESSID=c8e5c83f32f816406ae752b0341d3be2

 この作品、撮影監督はマイミクのサムフラーさんです。こう書くとプロっぽいですが、スタッフは私と彼だけ(笑)。エンドクレジットは映画っぽくするため、架空の人名がスタッフとしてクレジットされています(笑)。
 脚本はもともと深夜ドラマ用に私が書いたのですが、プロデューサーから「こんなん撮れるわけないだろ」と即刻ダメだし没にされ、たまたまお話をした「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のカントクに「今映画を撮らない奴は馬鹿だね」と乗せられて勢いで撮ってしまった作品です。何がどうダメだしだったのかは本編を見ればわかります。
 
 でもいまだに「レイズライン」の印象が強いのは驚きます。この前トークショーをやらせていただいた「恋鎖」の西條監督もそうだったのですが、たしかにその後の商業作品とはちょっとテイストが違うかも知れません(自分の中ではあまり変わらないのですが)。おしゃれでアートで実験的な?「レイズライン」でファンになってくれた多くの女性は、その後のフィルモグラフィーでかなり離れてしまったと思うので(笑)、逆の場合はどうなんでしょうか。どっちも好きなんですけどね、私としては。

 ◆ ◆ ◆

 そんなこんなの日々の合間に、新作映画の準備が続いています。
 さて本日、脚本のチェックやら何やらしていると、突然、宅急便が届く。
 最近のお気に入りのビール「SAPPORO畑から130年」のケース。???
 ああ、そうか!脚本書きで死んでいる時に現実逃避でプレゼントに応募したのが当たったのだ。
 残念ながら特賞の豪華旅行ははずしたけど、これはこれでラッキー♪
 でも、ここで運を使い果たしたら、まずいのでは…?
 それにしても、こういうのって本当に当たるのね。




10/7
「子守り首」ちゃんと発売されたようです。近所の大型書店では意外にも最前列の目立つ場所に積まれていました。良かった、良かった(明日の毎日新聞にも広告が載るとか。大阪、九州は九日)。
 帰りに近所の魚屋で、大間の本マグロの中トロが安かったので、釣りアジ、焼きアナゴ、締めコハダと共に購入し、自宅で出版記念。

 酔っぱらったついでに、アマゾンから届いたばかりの「スター・ウォーズ特別編」を鑑賞。
見るのはもちろんオマケで収録された「劇場初公開版」。「EPISODEW」だの「A NEW HOPE」だの余計なモノがついていないやつ。
 デジタル処理されていないから、ジョン・ウィリアムスのオーケストラは割れ気味だし、ルーカス・フィルムのロゴは自主映画みたいだし(←それはデジタルと関係ない)、合成は荒いし、恐竜は動かないし、マット画も雑だし、デススターの爆発は重力に負けているし、セットは芝公園スタジオなみの閉塞感だけど、これこそ紛れもないスター・ウォーズ。初日から三日目に名鉄東宝で見た小学生の頃の記憶が蘇る。後は文字通りの蛇足でしかない。

 懐古趣味もあるだろうけど、「特別編」を劇場で見て、逆に「化粧でごまかしきれない古めかしさ」を実感し落胆した輩に取って、改めてデジタル処理されていない「公開版」を見ると、その若気の至りというか、荒削りなまでの迫力に打ちのめされる。すげー。
 
 特別編と比べると、逆に当時でここまでやってしまった微細なまでの完成度の高さを実感。編集と音楽の凄さも同業者の目線で感服します。クライマックスなんて、妙にスローで粗い感じが、無重力戦闘の臨場感をうまく引き出していると思うんだが。
 うーん、自分、体質的にデジタルは合わない気もする。
「特殊効果におけるCG処理は全体の一割程度」とは、「テキサス・チェーンソー」の監督(同世代)のメイキングでのコメントだけど、アナログでしか出せない迫力やリアリムズムって確実にあると思うんだが。
 そういえば新作の重要な見せ場も、関係者から「ここは当然CGですよね」とよく言われるけど、自分では特殊メイクでやれると思うんだが、はてさて…(最大のネックは、現場のメイクは時間がかかるってことだけど)。

 あとはひたすら缶詰仕事。
スカパー!「ホラーTV」の情報バラエティ「館長はホラーがお好き」のサンプルが届く。スペシャルゲストの上原奈美ちゃんが「子守り首」を一生懸命褒めている箇所がほぼノーカットで使われて感動する。このしわ寄せで、自分の喋っている部分がほとんどカットされたけど全然構わない(「愛しのジェニファー」はもっとしっかり解説していたんだよ)。10月中はほぼ毎日放送されています。↓では「子守り首」のプレゼントも。
http://www.horror-tv.jp/present/

 徹夜明けの前日、資料がてらで、DVD化されていない某ホラー作品を求めて、新宿のTSUTAYA。疲れ気味なので、気合いを入れるため、高田馬場の「二郎」へ。朝からビールとラーメン。野菜ニンニクマシマシで。昔は大盛りが普通だったけど、もう年齢的に並ラーメンでも二郎はきついだろうと思いつつ、完食。でも黒烏龍茶が飲みたくなった。40になったらミニラーメンにしよう。

そうそう「レイズライン」のネット配信が始まったようです。私の唯一のラブストーリー(でも都市伝説・笑)なんで、よかったら見てくださいませ。確認できたのはOCN↓ぐらいだけど、他にも見られるのでしょうか。
http://www.ocn.ne.jp/theater/flets/list/ppv/index.html








10/3
“皆殺しを招く、呪われた童謡”

帯には、中谷美紀さんと一緒にこんなコピーついています。明日発売の「子守り首」。童謡ホラー+音楽業界ドラマ+都市伝説です。

お久しぶりです。日に日に慌ただしくなっています。

土曜は都内の某大学へ。
そのオープンキャンパスのイベントの一環で、私の新作の公開オーディションを開催してもらうことになり、プロデューサーと共に審査員をする。
まだタイトルをネットで公表していいのか微妙なので(まだ正式決定していないし…。会場では張り出されてましたが・笑)、とりあえず写真は会場の看板の一部。
集まった50人以上の新人さんに質問したり、即興でホラー芝居をお願いしました。
皆様お疲れ様でした。さてさて何人がスクリーン・デビューできるでしょうか。

日曜日、「子守り首」の見本が届く。
パラパラとめくる。最後に、「原稿枚数522枚(400字詰め)」とあり、「えっ」となった。そんなに書いていたっけ…?どうりで書けども書けども終わらないわけだ(おかげで昨年のリアル都市伝説の脚本執筆も遅れてしまった)。
そんなボリュームですが、お値段据え置きの600円!ジャパネットの高田社長なら、一声でベストセラーにしてくれるだろうけど、とりあえず私は「ホラーTV」などで宣伝させていただいております。


9/27
缶詰生活の末に、新作映画の「第二部」を書き上げる。途中、小説「子守り首」のプロモーションや打ち合わせなどで二、三日潰れているので、実質三日程度?書けば書くほどペースが上がるのはいいけど、ずっと寝ていなかったので、気がつけば体力の限界。大ぶりの釣りアジをコブで締めて寿司を作って飲酒し爆睡する。翌日も疲労が残っていたが、昼過ぎに会議で都心へ。

先に提出した「第一部」の脚本は思ったより好評。今後控える取材などを通して、さらにディテールを詰められれば、自分が撮るものとしては、ほぼイメージに近い仕上がりになるはず。良かった、速攻の割りに形になって。やはり自分は脚本家出身であることを実感する。小説だったら、このスピードでこのクオリティは絶対に不可能だろう(当たり前)。

さて会議では、「第一部」の受けが良かった分、より冒険的な新しい試みをした「第二部」の評価が分かれる。検討の末、「第一部」との対比やバランスを考えて、「第二部」をリライト。まあ博打打った脚本なので想定内。週の後半に考えていた仕事(次々回作の脚本執筆)をずらし、二、三日でザクザク仕上げる予定。

脚本会議の後は主要キャスティングの打ち合わせ。いろいろ前進する。あれやこれやと盛り上がりすぎて気がつけば夜中に帰宅。そのままケータイ小説版「渋谷怪談」を執筆。締め切りがぎりぎりの綱渡りになってきた。次のタイトルは「隙間男ふたたび」の予定。「リアル都市伝説」で紗綾さんらを恐怖(と笑い?)に落とし込んだ隙間男のその後を描く。内容は秘密…というかまだ白紙。やべえ。週末には色々イベントにも顔を出さなければならないので、早く書いて、映画の脚本に手をつけないと。手応えは感じているので、集中してスピーディーに取り組みたい。


9/20


新作ホラー・ミステリー映画の脚本(第一部)を書き上げる。二部構成の前半で70分少々。プロットでだいたい打ち合わせていたので、行き詰まることもなく、他の仕事と平行ながら実質三、四日程度で書き上げる。

一息ついたところで、二度目のゲスト出演となるCS・ホラーTVの情報バラエティ「ホラースキー」の収録のため、六本木のホラー・バーへ。
今回は仕事で交流のあった人気アーティストでモデルの上原奈美ちゃんと一緒である(あとは、おなじみのレギュラー解説、鷲巣義明氏とMCの伊藤さとりさん)。
いつも私を含めてホラー・オタしか出ないだけに(笑)、彼女が番組に新風を巻き起こしてくれることは間違いない。というかまだ15歳なので(彼女のお母さんは私と三つしか違わない・笑)、選んだオススメ作品もなかなか新鮮でした。
前から、けっこう頭が切れる子だと思っていたけど、音楽番組以外のトークは初体験ながら、自分の言葉でしっかり真面目にその作品の魅力を伝えようとする姿に感心。ホラー・ビギナーの視点として、視聴者的にも好感を持たれるんじゃないだろうか。
また、あの「マスターズ・ホラー」がこのチャンネルで全作放送されるということなので、それぞれのオススメ作品を出すところで、彼女はランディス作品をなかなか面白い視点で解説していて良かった(私は相変わらずアルジェントで、鷲巣さんもお約束のカーペンターなんだけど。「ホステル」などの新作ともども、こっちのトークも中々盛り上がりました)。

さて収録の締めは、お約束の宣伝タイム。ようやく刷り上がった新作ホラー小説「子守り首」(幻冬舎/10月6日発売ですよ!)を用意。読者プレゼントもします。ここでやっとお披露目できることになった表紙デザインはなかなか好評。鷲巣さんも興味持ってくれて、「これスプラッタなんですか?」といろいろ質問してくれた(もちろんスプラッタも入っています♪)。
 私にとっては気がつけば5冊目の小説だけど、今回は初の完全オリジナル小説のせいか、周囲の受け止め方が違う。書いている作業自体は、今までの「渋谷怪談」シリーズのノベライズと大差はないのだけれど、やはりオリジナルの小説を一から出すというのは、映画同様それなりのことなんだろうと実感する。もちろん執筆期間は、リサーチも含めて「渋谷怪談」の三倍以上かけているだけに、手応えが感じられるのはとてもうれしい。内容的にも気合いを入れた小説だけにぜひとも多くの人に読んでほしいと思う。

 で、実は上原奈美ちゃんにも「子守り首」をプレゼントし、読んでもらっていた。作品のヒロインが彼女とほぼ同じ14歳の新人アーティストなので(内容的には、都市伝説ホラーでありつつ、音楽業界青春物語だったりする)、楽しんでもらえるんじゃないかと思ったのだ。実際、彼女はとても気に入ってくれ、番組中でも「子守り首」への感想コメントを言ってくれた。ありがとう!
 
 この模様はホラーTVで10月中ほぼ毎日放送される他、彼女がモデルを務めるセブンティーンにも掲載される予定なので、よかったら買って見てみてください。
 六本木でリフレッシュ(といっても収録と昼飯食っただけ)した後は、新作ホラー映画の第二部の執筆に取りかかる。今週中に書き上げなきゃ行けないので、また缶詰生活です。

上原奈美公式サイト http://ueharanami.com/index.html
ホラーTVサイト http://www.horror-tv.jp/


9/15
○新作映画のシナリオの追い込みに入っています。今のところまずまず順調です。
○シネマアートン下北沢でのトークショー。個人的にはとても楽しい一時を過ごせました。映画は22日までなのでお見逃しなく。で、軽い打ち上げの後、帰宅して朝までシナリオ。
○翌朝、ケータイ小説の残りを執筆しつつ、午後外出。「子守り首」の表紙を描いてもらった河邊香さんの個展に顔を出す。時間がほとんどなかったので十数分しかいられなかったが、独特の世界観に魅了される。個展は16日(土)まで。興味ある方は表参道ショッピングのついでにお立ち寄りください。
○表参道から、築地の試写室へ移動し、タランティーノ提供というより、「キャビン・フィーバー」の監督の新作「HOSTEL」を鑑賞。過激な残酷描写の前評判通り、やっぱりR−18。たしかに描写は気合いが入っているが、見せるところはとことん見せて、見せないところは巧みに見せないという分別がしっかりした大人の映画だ。脚本は特別巧いと賞賛するレベルではないが、ジャンルムービーとして観客の心理の先を読んで、衝撃と共感を段々に高める良くできた脚本。「オーディション」をリスペクトする監督に招待された、三池崇史監督がほとんど普段着のままゲスト出演し、作品の世界に違和感なく溶け込んでいたのが凄い。
○気がつけば昼飯も食べていなかったので、東銀座の「ナイルレストラン」でムルギーランチを十分でがっつく。五年ぶり?味は変わっていないのに、東京全体のインド料理店のレベルが上がったせいか、ちょっと割高に感じてしまう。


9/12
○新作映画の脚本、なんとか来週はじめまでに書き上げる…予定。140分のけっこうな長編なので、ペースを上げないと。俳優さまや事務所の皆さまも待っている。ただ、これ以外の仕事もあるので果たして!?
○新作映画のシナリオの追い込みに入っています。今のところまずまず順調です。


9/9
○新作映画のシナリオ執筆中。怪鳥です。順調です。とにかく早く書き上げないと…。
○テレビ出演ほぼ確定。これに伴い、見なきゃいけない映画が急増。
○気がつけばオースティンの国際映画祭に行けませんでした。残念。


9/7
○新作映画、脚本執筆中です。
○企画会議、いろいろ前進。


9/5
○朝からケータイ小説「カラオケ地獄」執筆。寝不足で意外と進まず。
○某テレビ番組から出演依頼。サプライズゲストも企画。うまくいくといいけど。
○昼、初期の企画に関わった某ホラー映画の試写。
○午後、幻冬舎へ行き、「子守り首」の表紙&宣伝打ち合わせ。表紙がかなり怖くてナイス。
○その足で、別の映画の打ち合わせ。いろいろ前進。
○帰宅後、ケータイ小説の続き執筆。


9/4
○ケータイ小説「渋谷怪談」新シリーズ第二話「カラオケ地獄」(仮題)執筆。
○新作映画のリサーチ先を探していたら意外に身近にいて驚く。その取材先の母校が映画の設定に似ていて爆笑。いや、笑ってはいけない。全国には結構あるのか、呪いの○○○って。
○テレビの仕事、諸々


9/3
○企画用の作業の一つを終えて、えらく艶のいい生秋刀魚をお造りにして一息つく。二時間後には仕事再開。
○某映画のトークゲストに呼ばれるかも。ホラーな私にミスマッチな意欲作ですが、どこまで興行のお役に立てられるか…。
○ラリー・コーエンの「地獄の殺人救急車/狙われた金髪の美女」並みに幻の車両と個人的には思っていた餃子屋台と近所で七年ぶりに再会。餃子を買う。

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